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第1108話



 「結局3分も話さなかったな」




 色々と上手い事聞き出そうと思ったが、上手くいかないものだ。

 ただ、少しはレイターという男の事はわかった。


 奴にも色々ありそうだが、向かって来るなら戦うまでだ。




 「………見回りはもう要らねーか」




 多分、今日は攻めてこない。

 安全に能力を使わずに歩いて帰ったのは、多分そう言う事だろう。




 「殺す………………か」














——————————————————————————————
















 「吐きました」




 帰って来ると、早々にミレアはそう言った。

 嘘かどうかを軸に調べるのかと思ったが、どうやら吐かせたらしい。


 詳細は怖いので聞かないでおく。




 「どうだった?」


 「結論から言うと、サバスはヴァレンジアという夫候補の協力者でした。数年来の友人だそうです」





 まぁ、流石に部外者ということはないだろう。

 そんなことを許せばルールもクソもなくなる。




 「でも………」


 「どうした?」


 「これ以上は証言が取れませんでした。特にレイターの守護者には、私の “眼” が効かないみたいですから」




 思ったように成果が出ず、ミレアは少ししゅんとしていた。


 レイターの守護者に関しては、恐らくはレッドカーペットの性質なのだろう。

 適当だが、嘘を見抜かれないとかそう言った具合だと思う。

 それでも、一応仮説程度は出来ているみたいだ。




 「一応考えはあるんだろ? 予想でいい。言ってみてくれ」


 「えと………多分、またお告げなんだと思います。尋問した彼らからは特にお告げがあった様な反応はなかったので、こういう状況が出来る様に、領主側に何か命じているんじゃないかと」


 「お告げか………」






 お告げ——————この妖精界に元から住んでいるものに対する、管理者からの絶対命令。


 逆らえば名を失い、弱体化と成長の停止、そして一部身体機能の剥奪という重いペナルティを永久に受ける事になる。


 これまでのパターンから、それは十分のあり得る。

 おかしかったら大体お告げだと疑えば基本当たりだ。

 しかし、




 「………いや、多分違う」




 あくまで推測。

 だが、一応理由はある。




 「そうなんですか?」


 「お告げだとしたら、あまりにもレイターを有利にさせちまうだろ?」


 「まぁ、そうですね」


 「今やってるこの戦いって、婚約に俺が横入りしたせいで発生したものだ。これにお告げを絡ませたのだとしたら、管理者は俺たちのことを知ったうえでお告げを出したことになる。それじゃあまりにも俺たちに不利だ。これまでの管理者のやり口に合わない感じがする」





 それに、理由はそれだけではない。


 もしも管理者が俺たちを潰すつもりで不利なお告げを出しているのなら、もっとあからさまにやって来る筈だ。


 それだけの力はあるのだから。





 「まぁ、気になるなら外で監視してる適当な使用人を何人か捕まえて “眼” を使えば、ハッキリするだろ」


 「でも、そう言われるとお告げじゃないような気がして来ました」


 「俺も確証はないし、やっぱりこのままじゃサバスが味方を裏切った理由がいまいちわからねぇ。お告げの可能性も十分調べといた方がいい」




 パン、と大きく手を叩く。


 これとりあえず、今日の話はここで一旦締めだ。

 今からはここからの行動を決めることにしよう。


 


 「とりあえず、各々出来ることをしてようぜ」



 そう言いながら、俺はコウヤの方を向いた。


 特に、今の俺にはやらないといけない事がある。

 正確に言えば、俺とコウヤには、だ。


 対レイター戦では、以前の戦いで見せたあの力が多分必要になって来る。

 リスクのある能力だが、もしかすると俺の力ならどうにか出来るかもしれない。




 「? どした金髪」


 「ちょっと来いよ。散歩してたらいいところ見つけたんだ。それと、護衛ついでだ。ルージュリアも来い」


 「構いませんが、どちらに?」

















——————————————————————————————
















 「旧兵舎ですか」




 護衛がてら歩き回っていたら、今や完全に廃れた旧兵舎を見つけた。

 公園の奥の離れた場所にあったので、帰る前に寄ったのだ。


 出口も少なく、浅めの地下にあるので、レイターが来ても自由に対処可能だ。




 「勝手に使っていいよな?」


 「ええ。構いませんわ。ここを使っているのは、せいぜい1人ですから」




 埃まみれの壁に手を置きながら、ルージュリアはそう言った。

 やっぱりお嬢様にしては、こういう場所が割と平気らしい。


 うちの王国にもアグレッシブでアクティブな姫がいるが、いい勝負かもしれない。



 と、懐古するのもそこそこに、あまり時間も浪費できないので早速始めるとしよう。





 「何するんだよ、金髪? てかレイターについて調べなくていいのか?」


 「エルを飛ばしてるから問題ない。優先するべきはこっちだ」




 何も言わずにきたので、コウヤは何をするのかわかっていない。


 ちなみに主役はこいつだ。




 「聞くがコウヤ、お前の本って俺でも触れるか?」


 「一応俺が消さなきゃ触れるよ。それがどうかしたのか?」




 上々だ。

 1番の懸念が解消された。


 これで始められる。




 「修行っつーより実験だ。本を貸してくれ」


 「いいけど………………って、お前まさか」




 もしかしたら。

 あくまでも希望的観測だが、可能性はある。




 「お前の封じたその能力、俺がどうにかしてやる」




 俺の神の知恵で、あの能力のデメリットを解消する。

 そのために、俺はここへやって来たのだ。

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