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第1099話



 「おまっ………………」



 盲点だった。

 まさかコウヤが残るとは思わなかった。


 素直にG・Rに捕まえられてくれると思っていたのだが。





 「えー、なに意外そうな顔しちゃって。金髪くんってば、し・ん・が・い」




 冗談めかして軽口を叩くコウヤ。

 しかし、こちらは冗談で済ます気は無い。


 気がつくと俺は、コウヤに掴みかかっていた。




 「馬鹿野郎!! 何やってんだお前!! これはあくまでも競争だぜ!? 放っておいても大した実害は………」


 「本当にそうなのか?」



 と。

 コウヤは胸ぐらを掴んでいる俺の腕を掴み返しながらそう言った。




 「………何?」


 「このゲーム、かなりルールが緩い。殺害禁止を謳っちゃいるが、ただそれだけ。要は死ななければなんでもいいんだ。そして、奴らに取ってお前や銀髪ちゃん、金ロールちゃんはいずれ殺すべき敵だ。安全なんてあるわけがない」


 「っ………………」




 こいつ、意外とわかっている。

 何も考えていないわけじゃない。





 「お前は俺よりずっと頭がいいんだ。気づかないわけがないっしょ。それで嫌な予感したから自由人に頼んだんだ。違うか?」




 そうだ。

 保証なんてどこにもない。

 全てこいつの言う通りだ。





 「てなわけだ。俺も混ぜてもらうぜ、金髪」


 「チッ………………クソ、勝手にしろ」






 俺は掴んでいる腕を離して、レイター達の方に向かった。

 どうやら、ご丁寧に待ってくれていたらしい。





 「いやはやいい話じゃないか。やられると分かっていて向かってくる。なかなか出来た事じゃあない。なぁ、サバス」


 「………」





 もう1人の男の名前はサバスというらしい。


 こちらはえらく無口だが、一体どういう戦い方をしてくるのか、とりあえず様子見が必要だ。




 「コウヤ、敵の能力はわかってンな」


 「“嘘” に気をつけるんだろ?」


 「わかってンなら問題ねーよ。とりあえず、今は注意深く見張る以外の対策は打てねーから」





 これまでとはまた違った緊張感。

 正体不明の “反則” 持ちの敵かつ、格上。


 先代命の神の時は、ある意味シンプルな能力だったから戦い易かったが、今回は敵の能力はまだわからない。



 まさに一寸先は闇。

 しかし、動くほかない。



 魔力を集中させる。



 神の知恵を、一時発動し、強化魔法を発動。

 残存魔力、残り8割の内3割を使用。


 残りは半分。





 「チッ………まさか強化魔法如きで何割も削る事になるとはな」





 かつての肉体であれば、最高の強化魔法を何百人とかけることも可能だったのに、今は重ねがけ無しの3級を2人にかけただけで3割削ってしまう。


 忌々しいったらありゃしないが、これも仕方のない事だ。

 今ある戦力でこいつらを叩き潰す。


 それだけだ。





 「右行くぜ」


 「オーケー、左は任せろ」





 一言二言、軽く言葉を躱せば、準備は完了。


 先手必勝。

 俺たちは、すぐさま攻撃を開始した。


 俺は右にいるレイターを、コウヤは左にいるサバスを狙って突っ込んだ。





 「フフフ………双方剣士とは、些かバランスが——————」





 そう、バランスが悪い………………………と、相手が勘違いしている今が好奇。


 俺は剣を持っていない方の手で光魔法を構える。


 レイターは知らない。

 神の知恵を使えば、その時だけ俺はスキルポイントの制限を無視して魔法が使えることを。



 速攻から、一気に畳みかける。




 「喰らえッ!!」


 「くッ、これは………!?」




 光三級魔法・パワーフラッシュ。

 範囲を絞ることで、より強力な目潰しを可能とした、通常のフラッシュの強化版魔法。


 目を閉じていても眩むほどの強烈な光をまともに受けたレイター達の目は、しばらくまともに機能しないはずだ。




 「くッ………………『光は………』」




 来た。

 例の能力だ。


 未だ得体の知れない謎の能力。

 だが、仮説程度なら組みたてられる。



 口に出すということは、十中八九その必要がある。

 口の出さない方が、リスクも低く、圧倒的に有利なため、ブラフの可能性は極めて低いだろう。



 故に、俺はこう考えた。




 「黙ってろ!!」




 音魔法で、音を掻き消せばどうだ? と。




 「——————!?」




 音魔法ではお馴染みの魔法、【サイレント】


 周囲の音を消すこの魔法で、嘘を聞かないようにする。

 万が一、嘘の認識だった時のために、口の動きもなるべく見ないよう心がけた。

 さぁ、どうなる。





 「コウヤ!!」


 「! なるほどな」





 合図すると、俺はコウヤと共に一気に上空へ飛んだ。


 サイレントにより、足音は聞こえない。

 目も潰れた今、気配と魔力のみが頼りになる。


 そして、そのうちの一つも潰す。




 「ダメ押しだ」




 魔力の塊によるデコイを複数射出。

 無駄遣い出来ないので、俺自身の魔力をコントロールし、体外に漏れてる魔力を一気に弱めた。



 回復しきれない目。


 聞こえない耳。


 頼りの気配は遠く、そして魔力は散り散りになった。



 一撃必殺。

 ここで勝負を決める。

 急ぎすぎということは決してない。

 何もわからないのはお互い様だからこそ、俺は急いだのだ。





 実に10を超えるデコイ。

 その全てとともに、一気に上空から下り、そして——————

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