表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1095/1486

第1090話




 「「「おおお!!」」」




 アクアレア中央にそびえ立つ、一際豪華な宮殿。


 景観を損なわない派手さで、溶け込んでいつつも圧倒的な存在感であった。


 白紙化が起きて数年と聞くが、ここまで見事な建物を少なくともそれよりも短い期間に建てたのは正直驚嘆に値する。




 「カイトにはここまで凄いのはなかったな」




 なかなか見応えがある。

 周辺の道がもっと整備されれば人も集まるだろう。




 「こちらからは歩きとなります。ご案内しますので、こちらへ」




 いつの間にか、船着き場に到着していた。

 門番はそのまま案内をしてくれるらしい。




 「結局なんでここまで呼ばれたかはわからなかったですね」


 「ルージュリアちゃん、そういうところは意外と適当だもの。でも気持ちはわかる。リンフィアちゃんもそう思わない?」




 G・Rはしみじみと頷きながら、リンフィアに同意を求めていた。

 先日まさに出発ギリギリに旅に同行する事を俺たちに伝えていたので間違いなくG・Rはルージュリアと同類だ。


 苦笑するリンフィアの気持ちは俺もよくわかる。




 「ああ、それと」


 「?」




 早速宮殿の中に向かおうとしていた俺たちのところに、もう1人門番と同じ格好をした女が近づいてきた。

 なんだなんだと思っていると、女は俺の前で立ち止まってしまった。




 「うお! 俺好みのグラマー美人!! 流石はアクアレア!」


 「お前誰でもいいのか」




 グラマー………まぁ、グラマーはグラマーだが、デカイ。

 ガタイがデカイ。

 2mくらいある。


 そして、そんな圧のすごい衛兵に立ち塞がれるのはあまり心地の良いものではない。



 だが、どうやら逮捕されるわけではないようだ。

 そう思ってホッとしていると、




 「ヒジリケン殿は、命により族長のところへ連れてくるよう仰せつかっておりますので、ご同行願います」


 「………族長?」




 思い当たる節はない。

 以前の俺ならともかく、今の俺はなんら特別でもない一般人だ。

 族長なんかに呼ばれるとしたらそれこそ王候補のミレアだろうに。




 「ミレアじゃなくて?」


 「いえ、貴方です。そこのミレア殿は、そもそも女性ですので」


 「は?」




 そう言われ、詳細を聞こうとすると、女の衛兵はガシッと俺の腕を掴み、そのまま引っ張っていった。




 「ちょっ、まだ聞きたいことが………てかアンタ力強ッ!?」





 唖然とする仲間たち。

 しかし、下手に逆らうのも不味そうなので、俺は大人しく引きずられて行くことにした。














——————————————————————————————
















 「薄暗ェ城だなー」



 正門ではない入り口から宮殿に入ると、内部は妙に暗かった。

 そして、人の声もあまり聞こえない。

 祭儀を行なっていると言ったが、その影響だろうか。


 時期族長を選ぶ言ったが、よくよく考えると結構大きなイベントだ。




 「てかどこまで行くんだよ」


 「………」


 「ちょっとは喋ろうぜ」




 俺を連れてきた女の衛兵は、普段のイーボ以上に物静かであった。


 ものすごい仏頂面だ。

 というか、いい加減手を離してくれないだろうか。




 「やれやれ………………お?」




 人の気配を感じる。

 一箇所に数人、そこにはルージュリアの気配もあった。

 どうやらそこに向かっているようだ。


 そういえば、気がつくと廊下の内装が一際豪華になっている。

 位置的には城の中央あたりか。




 「こちらです」




 やっと言葉を発したと思えば、終点だった。


 一部屋だけ、見張りの兵がいるのでわかりやすい。

 先程人の気配を感じた部屋もまさにここだ。




 「お、案内サンキューな」


 「………?」




 何故首をかしげるのだろうか。

 最後まで何を考えているかわからなかったが、とりあえず部屋に入るべく扉に手をかけた。


 すると、




 「!」




 妙な扉だ。

 魔力を感じる。

 魔法具だろうか。



 いや………………違う。



 扉は付属品だ。

 これは恐らく、結界になっている。


 結構複雑だ。


 しかし、このくらいならわざわざ神の知恵を使うまでもなく解除できる。






 魔法の行使は、言わば公式を知らないと出来ない計算。


 しかし、結界の解除など、魔法への干渉は別だ。

 こちらは魔法の行使と違い、四則演算の組み合わせで解ける計算。

 白紙化によって公式を失った詠唱魔法等とは違い、実力があれば解ける。




 手を改めて扉に手を置き、魔力を流した。

 そして、





 「………………多分、こうだ」






 結界の内部——————複雑化された術式に自分の魔力を潜らせる。

 そこにある小さな綻びを、ゆっくりと解き、




 パキン、と。





 「「「!!!」」」





 何かが割れるような音とともに、重い扉はゆっくりと開いていった。






 「おっ、開いたな」






 扉の先にいたのは、数人の兵士と文官らしき人物が数人。

 統一された格好をしているので、恐らくアクアレアの者だ。



 しかし、明らかにそれとは異なる男が4人、こちらを睨んでいた。

 種族も格好もバラバラ。

 正体は不明である。



 そして、





 「きましたね、ケンくん」




 コバルトブルーのドレスに身を包んだルージュリアが、奥に二つある椅子の片方に腰掛けていた。


 しかし、この物々しい雰囲気は間違いなく何か重要な事が起こっている。

 これは、きて早々面倒な事に巻き込まれたか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ