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第1023話



 馬車に揺られる事3日。


 メンバーはまず、ギルマスと付き添いのゲルニア。

 そしてコウヤを含めた俺たち4人のパーティと、ルージュリアの計7人だ。


 とりあえず、パーティ4人でまとめられた俺たちは、馬車の中で疫病の話について整理をすることになった。





 この里を含め、多くの場所で突如発生した謎の疫病。

 治療法はなく、現在は疫病患者を隔離することでなんとか数を抑えていたが、最近再び増加を始めていた。



 述べた通り治療法を含めた一切が謎で、原因すら不明となっている。




 人口の少ない里を、住民を“カイト”に引き取ることで、領主は隔離施設を建造。

 領主はそことカイトを行き来しつつ、医者の支援をしていた。









 「それで出来たのが、この生気のない街ってことか」




 手抜きの検問とやたら多い警備員達の集団を抜けた先にあったのは、活気のない商店街。

 馬車を降り立ち、あたりを見回すも,聞こえるのは警備員と足音と、遠くに見える馬車の車輪の音のみ。

 埃を被った商品棚には、虫が喰ったような穴があり、時々ネズミの声が聞こえてきた。

 恐らく、年数的に疫病蔓延が始まった段階ですぐ隔離が始まった。


 当然、人はいない。


 カイトならば聞こえてくる笑い声も、また裏にある汚れた部分も、ここにはなかった。




 「里の機能を一点に収束した結果だろうな。あの巨木以外は警備兵しかいないと思うよ」




 コウヤのいう通り、探しても人の気配はありそうもなかった。




 「少し早く着いたかな………予定まで時間はあるけど、どうするッピ?」




 ギルマスはそう聞いてくるが、観光をするような里ではない。


 だが、見て回ろうと思う。

 これは観光というよりは探索。

 “調べ物” だ。




 「それじゃあ、見て回るかな。集合は何時でどこにだ?」


 「あのでっかい木に3時ッピね」




 4時間ちょっと。

 それだけあれば最低限歩き回れるだろう。




 「リフィ、ミレア、お前らはこっちだ。コウヤ達はどうする?」



 ミレアは流石に護衛が必要なので、俺とリンフィアが一緒にいる必要がある。

 まぁ、どうせ付いてくるだろう。


 と思ったが、




 「俺は寝とく」


 「私も寄るところがありますので遠慮しておきますわ」




 意外とついてこなかった。




 「そうか。んじゃ、また後でな」



 俺はミレア達を連れて里の外れまで向かうのであった。












——————————————————————————————












 「本当に何もないな」



 近くをぶらっと歩いてみるが、目に入る景色は変わらず物寂しい。

 警備兵もろくに歩いてはいない。




 「ここに住んでいた人たちはみんなカイトに移されたんですよね?」


 「らしいぜ。んで、ここの中央を隔離施設に使ってるんだと」


 「街並み自体はあんまり変わらないのに、人がいないだけでこんなに寂しいんですね。………ちょっと苦手な雰囲気です」




 リンフィアのいう通りだ。


 ゴーストタウンというのは滅びを感じさせる妙な不気味さがある。

 経緯もあまりいいものではない。




 「ところでケン君、ひとつ尋ねてもいいですか?」


 「おう、なんでも聞け」


 「見る場所なんて無いですよね?」




 何しに来たのかと遠回しに聞いてくるミレア。

 流石に察しが早い。


 俺はこの里を知らないし、会うべき人も里がこの有様だから見る場所なんてろくには無い。


 が、偶然見てしまったのだ。




 「ついさっき出来たんだよ。見るべき場所。な、エル」




 ニュッと影から顔だけ出すエル。

 ものすごいシュールだ。


 が、このシュールな状態の口から、それなりに重要な情報が飛び出してきた。




 「ご主人様に言われて、里の上を飛んでたら、偶然動く影を見つけたのです。真上だったからよくわからなかったなのですけど、多分、人なのです」


 「!!」


 「妙だと思わねーか? 病人を隔離している里………しかも、感染するから隔離してるのに、こんなとこをうろついてる奴がいたんだぜ? 何かあるだろ」


 「それがここだったんですか?」




 一見何も無い、なんの気配もない場所だが、ここで見た事は間違いない。

 であれば、ここにあるはずだ。




 「しばらくエルを飛ばしてたけど、それっぽい奴が移動した形跡はない。だから、人が隠れられる場所と繋がっている出入り口があるかもだ。とりあえずそれを手分けして探すぞ。あ、お前らは一緒にいろよ」




 今後の行動の方針が決まると、2人は目の前にある空き家から探索を開始した。

 さて、俺も探すとしよう。




 「つっても、どうするか………エル、ここで見た以外にヒントはないんだよな」


 「はいなのです」




 となると、地道に探すしか無いのだが………




 「………」




 ここは裏路地と繋がっている場所のない一本道。


 右手少し奥に行けば曲がり角があり、そこには川がある。

 左に進めば十字路となり、そこから右に曲がって進めばさっきまでいた商店街だ。



 恐らく、道路や通路には出入り口はないだろう。

 魔法であれば感知出来るし、そもそも人がいれば俺の“目”………“知る力” で反応出来る。



 だから、恐らく部屋ではなく通路が隠されている。



 と、思うのだが………リンフィア達に言っていないが出入り口以外に可能性はまだある。




 コソコソしているということは、外に出るのはリスクだということだ。

 そのため、外にいたのが本人でない可能性がある。

 その場合、いくつかの可能性が浮かび上がる。


 その中でも、もっともあり得るものが、視覚共有したゴーレムを操作していたという可能性だ。


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