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アレンシアレコード  作者: リール
8/9

連合王国

一部登場人物の名前を変更しました。

世界の至る所にニュールの大群による世界侵攻、通称「大侵攻」が発生したあの日から2年。

ヨーロッパ、南アメリカ方面は壊滅。ロシア、中国は国土の3分の2を失い、アフリカ方面も多大な被害を受けた。


世界的に甚大な被害を被った人類は絶対防衛戦を張り、ニュールの侵攻を受けた地域は「廃都区」として放棄。立ち入りを禁じた。


一方、神聖アレンシア帝国は、その強大な軍事力でニュールを退け、軍を派遣していた一部の国も守りきってみせた。


人類の生存領域は狭くなり、国としての存続が難しい国家は解体。神聖アレンシア帝国の支援を受け、要塞都市を建設。

各要塞都市は「砦都」と呼ばれた。

砦都はアレンシア帝国が開発した高速量子分解転移装置と呼ばれる転移装置で住民ごと帝国領内に転移し、帝国を中心とした新大陸と国家連合を生成。安全な絶対防衛領域とし、世界各地の避難民を受け入れた。

絶対防衛領域へ転移し、連合を生成した国と砦都により帝国は政治体制を見直し、各国と砦都を含めた「アレンシア連合王国」となった。

新大陸の沿岸沿いは砦都による強固な防壁が築かれ、軍事力が増強された連合王国は本土の技術者数名と1万の兵、合計数千に及ぶ戦闘車両を連合王国以外の国へ派遣。

技術と軍事力の供与を行った。


大侵攻における神聖アレンシア帝国の防衛戦で主力を担った帝国の統合機甲軍団は、精鋭部隊を除き再編。

主力の中でもずば抜けた戦果を挙げた精鋭中の精鋭である各特務中隊は帝国が連合王国となった後、人類の生存領域を取り返す為の国外任務を担当する事となった。


レイ率いる212特務中隊も例外ではなく、領土奪還及び敵勢力の侵攻範囲の調査を命じられ、国外任務の為に建造された洋上基地「ストレア」に配属された。


「大侵攻から1年で連合王国の構築、1年半で陸海空全ての軍の増強、2年目にして国外偵察、あわよくば領土の奪還、ですか。

上層部も無茶を言ってくれますね。」


「全くだ。俺達の国は圧倒的な軍事力と豊富な経験のお陰で侵攻では殆ど被害は出なかったが、他の国の中にはは国そのものを失った国が少なくとも58カ国もある。

領土奪還とか軽々しく言ってくれるが、俺達人類とニュールには戦力差がありすぎる。」


ストレアに配備され、今後の方針についての会議を終えたレイとニックは愚痴を零しながら中隊に与えられた区画へと歩いていた。


「そういえば、ロイス爺さんとダレスのおっさんもここに来てるんだっけか?」


「ええ。ストレアは我が国で最大の洋上基地です。その内3分の1が新型兵器の開発部門と整備基地を兼ねてまして、腕利きの整備士や技術者に招集がかかったようですよ。」


「なるほどな。そりゃロイス爺が呼ばれるわけだ。」


レイ達が産まれる前から整備士をしているロイスは、前アレンシア帝国軍内で最も優れた整備士だ。ストレアの建設が済むと真っ先に呼ばれたのがロイスだった。


「そういやダレスのおっさんが、会議が終わったら第8格納庫に来てくれとか言ってたな。」


「あ、完全に忘れてました。第8と言うと……ここから4ブロック離れてますから4kmありますね。車で行きましょうか。」


「そうするか。おーい。ここのジープ、1台借りていくぞ~。」


「ああ、自由に使ってくれ!」


ストレア内部は区画分けがされており、1ブロックが1km四方である。

レイはすぐそこにある共用車両専用駐車場の警備員に声をかけ、ニックと共に格納庫へ向かった。




「ダレスのおっさーん。来てやったぞー!」

格納庫へ着くなり、レイは叫んでダレスを呼ぶ。


「お、やっと来たか。なかなか遅かったじゃねえか。」


「会議が長引いちまってな。

で、今回俺を呼んだ理由はなんだ?」


「ランバルドの退役が決まったのはお前さんも知ってるだろ?アレの後継が決まったんで、お前さんを呼んだんだ。」


「ああ、M25 アールグレイだっけか。

ここへ来た時にちょいと乗ったが、いい戦車だった。な?ニック。」


「ええ。操縦方法がレバー式からハンドル式に変更されててかなり快適に操縦出来るようになりましたし、反応も良かったです。加速力も軽戦車並でしたし、旋回性能も申し分ない。乗っててかなり楽しい車両ですね。」


操縦士であるニックは、ランバルドから格段に良くなった操作性を高く評価した。


「お、もう乗ったのか。

俺も軽く走らせては見たが、かなり完成度の高い車両だったな。

だが、お前達特務中隊にはアールグレイは配備されない。」


「ん?どういう事だ?後継はアールグレイで決定してるし、各機甲師団にはもう配備が始まってるぞ?」


「ああ、実はお前ら特務中隊には新型の装甲兵器が配備される。こっちに来い。」


ダレスは格納庫の奥へ歩きだし、レイとニックはその後に続いた。

格納庫の最奥部へ来ると、高さ20m、幅12m程ある鋼鉄製の大きな扉があった。


「ここだ。この中に、お前達がこれから使う新型装甲兵器がある。

口で説明するよりも見た方が早いから、とりあえず見てくれ。」


ダレスはそう言い、扉の横にあるレバーを下げると、扉が重い音をたてながら左右にゆっくりと開いた。


扉が開くと、照明が点灯され、中にある大きな装甲兵器がその姿を晒した。


「G-1 グランドマスター。世界初の有人直立二足歩行兵器だ。

全高11.8m、重量は58t。乗員は1名か2名。単座と複座の2タイプある。武装は固定武装の他に任務やパイロットに合わせて変更可能な兵装が選択可能だ。

装甲は第三世代MBT並で、歩く事は勿論、走る事も出来るし、一定の距離ならスラスターを使用して飛行する事も出来る。」


ダレスは自慢げに格納庫に堂々と直立する大型の人型兵器を叩いた。


更新かなり遅れました。


いかんせんリアルが忙しくて……

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