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死ねないだけの英雄は  作者: ミカンとかげ珊瑚
1/1

最高最悪再生賛歌

プロローグ

今、死んでいる真っ最中だ。

辺りは真っ暗。記憶に穴がある。

ドーナツみたいな穴じゃなく、

ボロボロのスポンジみたいなたくさんの穴が。


なぜだか知らないが、すぐに思い出しそうだ。

記憶はないけど、なかなかにいい感じの人生だったんだと思う。



喉が引きちぎれれそう。

腕はもう裂けた。

足がザラザラと崩れていく。


遠くで猫がないている。なんだったけ。俺の大切なもの。


終わるだなんて知りたくないけれど、もうすぐ終わるんだろう。

このまま気持ちのいい暗闇の中で、

壊れていくのもいいのかもしれない。





悲しそうな泣き声と嫌みったらしくどこか懐かしい声がする。


「はぁ、またか、君もよく飽きないね」


 懐かしい?いや、さっきも聞いた声だ。さっき?いつだ?


「まったく、いい加減に目を覚ませよ」


 静かにしてくれよ、丁度いい感じに気持ち良く死ねそうだったんだ。


「君が居なくても、この僕には大した問題じゃないけどさ」


 うるさいな、誰だよお前。


「君みたいな奴でも死んだら、悲しむ阿呆がいるんだ」


 まって、思い出せそうだ。頭がクラクラする。俺は誰だ?


「世界を救うんだろ?」


 俺は、そうか。死んだ訳じゃない。


『最弱の英雄さんよ』


 


―俺は、死ぬことができない。






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