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もちろんそれに反対する意見もあったが、疲れきった国民の声が大きくなることはなかった。
しかし、死にたいと言う人にそのまま「はい、どうぞ」と言うのは、政府としては政治的にも人道的にも問題がある、と国は判断した。
もちろん死体の数も少ないほうが、より効率的かつ経済的である。
そこで最終防御壁が設置された。
あの二人の女性だ。
自殺志願者を説得し、思いとどまらせるのだ。
そこを突破した者だけが、はれて国のお墨付きで自殺することが出来る。
私は突破したのだ。
なんだか眠くなってきた。
薬が効いてきたのだ。
私はこのまま眠り、そして二度と目覚めることはないだろう。
それでいいのだ。
私はそのためにここに来たのだから。
終




