序章
辺り一面燃えている
私が燃やした 人も家も、村一つ全て
私達魔族は力が全てだ
強者によって弱者は全てを奪われる
ーーあら?
声が聞こえる 今にも消えそうだけど
声のする方に行くと少女が一人、腹に穴が開いていたが運悪く死ねなかったようだ
こちらを見て助けを求めている
苦しかろうに 楽にさせるとするか
....いや、面白いことを思いついた
「..たす....け...て。」
「いいだろう、助けてやる。光栄に思え。」
自分の腕を切り穴に流しこみ、口からも飲ませる
「..ぅぐっ...ガァァァァ!」
人である彼女には劇薬だ。なにせ魔族の血なのだから
みるみるうちに傷が塞がっていく
胸を引っ掻き毟っているがそれらの傷の跡も残らない
しばらくの間もがき苦しんだあと動かなくなった
呼吸をしていることが確認できるから死んでないないはずだ
ーー起きてもらわねば困るが。さて、どうしたものか?
「ぅぅぅぁがぁああ、ぁう..フー、フー」
「...な、んで..。ハァ、ハァ、なんで..殺さ、ないの....なん、でよ...いっそ殺してくれれば.....」
「死ねば楽になれただろうな。フッ、運が悪かったな、イブ。」
「イブ?私はそんな名前じゃ」
「今日からそう名乗れ。私はノエル、魔族だ。この村を燃やしたのも私だ。」
「!あなたが、あなたのせいで、この村は」
「私が憎いか?殺したいか?ならば強くなれ。我々魔族は力が全てだ。強くなって私を殺してみせろ。」
「ちなみに魔族の血を吸えば手取り早い。あなたは適合者だからな、他も大丈夫だろ。では、またどこかで会おう」
(我ながらずいぶ適当だな。 フフッ、今後が楽しみだ)
この出会いから6年後、イブが16歳になった年に人と魔族の歴史の中で最も大規模な人魔対戦が始まった。