人化
タマです。
いつも通りの1日になるはずだった。
そんな日。
「にゃーん。」
「おはよう。ミーコ。」
笑顔で撫でてくれる御主人様。幸せそうにごろりと身体をベッドに傾けた。
しばらく私を撫でた後御主人様は餌をくれて朝ごはんを食べた。
その後スーツに着替えた。
「行ってくるよ。ミーコ。」
「にゃーん。」
仕事に行っちゃったのでまた寝る。たまに起きては窓を眺め水を飲む。
そして起きたら…夜で…、
「?」
いつもと違う身体。ペタリと床に張り付くこの感じ。しかも手足が長くて方に長い髪がサラリと乗ってた。
「にっ……」
にゃあっと驚いた声をだそうとしたけど声が出ない。まさかと思いつつ声を出してみた。
「なにこれ……?」
前世の声と少し違う少女の声。
「やだ…やだ……何なの!?」
胸もあるしあそこもあった。
鼻もあるし唇もあった。
「人……人間?ああ…ああ……やだ…」
これじゃあ警察に捕まるか捨てられてしまう。前みたいになってしまう。嫌だ。
「いや…いや……やだ……」
涙も出てきた。
「鏡…鏡…」
ふらつく足で立ち上がり、いつも御主人様が使っている洗面所に向った。
「きゃああ!?」
前世の頃と同じ少女の顔だった。
目の色は違うけれど紛れもなく人間の顔。頭には耳、しっぽしか猫の面影はなかった。
「やだ…戻らないと…戻らないと……」
おろおろと歩き回る。裸だしどうしたらいいか、よくわからなかった。
ガチャリ
ドアの開く、音がした。
「ただいま、ミーコ。」
御主人様の声がした。
ふらついた足のせいで尻餅をついた。
「あ……」
「…女の子……!?」
裸で猫耳が生えているこの状態だ。
すごく恥ずかしかった。
「ああ…あ……」
どうしよう……
ご覧いただき、ありがとうございました!!!