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しぼうどうき

とある部活の部長が何故その部活を作らざるを得なくなったかについて

作者: 弥児

BLだと思います。

 彼の言うことはいつも正しいなあ!


 これが俺の口癖。そう、彼はいつ、どんな時だって正しいんだ!昔から彼はたくさんの悪いことを正してきたし、現に俺を救ってくれた。だから、彼が言うことは全て正しいに違いない!そんな俺は今までの言動を見て取れるように彼が大好きだ。彼が頼んだ事は何でもやるし何でも叶える。そんなことをを友人に話したらあんたバカァ?みたいな目で見られた。何でだろうか?


 季節がいくつも過ぎ、俺達は幼馴染という関係から会長と副会長という立場になった。もちろん彼が会長だ。この学校はちょっと、というか結構おかしな制度が残っていて人気投票制なのだ。とはいえ例外はあるけれど。


 場面はすごく変わるが、彼、会長の隣には今俺では無い奴がいる。あの子はこの学校を改革したグループの第一人者だ。彼らはとても楽しそうに笑い合っている。……二人は恋人だ。


 彼の隣に俺はいない。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「…とまあ、これが俺が今ここにいる理由だ」


 そう言って、俺は笑った。風がびゅうびゅうと吹いていた。俺はちょうど屋上の端にいて、ヤツと向き合って話している。ヤツは眉を顰めた。


「ううーん、………全然理解できねえな。なんでそれだけでここから飛び降りようとしたんだ?」


 随分と簡単なことを聞くな、と思った。同時に何故分からないのだろうか、とも思った。


「ははっ、そんなの彼がもう俺を必要としないからに決まってるじゃないか!」


 そう言うと、ヤツはドン引きだとでも言わんばかりに顔をしかめた。誠に心外だ。


「…いかれてんな」

「君がどう思おうと勝手だよ。彼のためにも必要のないもの(ゴミ)はさっさと捨てなきゃ」


 そう言って俺は空へ足を踏み出した。コレで彼も俺という重荷から解放されるだろう。最後にやっと彼の役に立てるだなんてなんて皮肉なのだろうか。


 ポツリと呟いた。


「…させねえよ」


 そう言って、ニヤリと笑った。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「とまあ、こんなことがあって俺は部活を作ろうとしたわけなんだよ」

「ちょっと!結局なんで作るか肝心のところを濁してるじゃないの!焦らさないでとっとと吐きなさいよ!」

「まあまあ、落ち着いてネェさん」

「ふー、ふー、…落ち着いたわ。で、どういうことなの?」


 今までの経緯を友人に掻い摘んで軽く話していたら、いきなりヒステリックにキレられた。…オネェ言葉全開で。

 こんな女言葉を話しているが彼…いや、彼女―通称ネェさん―は男だ。ネェさん曰く、どちらかというとオカマさんではなくゲイと言っている。よくわからないが姐さんなりの線引きがあるのだろうよくわからないけど。

 とりあえず、またキレられたらたまらないと、ちゃんと話し始める。


「いやね、英ちゃんに怒られちゃったんだよ」


 その言葉によっぽど驚いたのか、目を真ん丸くしているネェさん。だが、すぐにいつもの調子に戻り、感心したようにこう言った。


「ふーん、アイツにしては珍しく素晴らしい行いじゃないの、見直したわ」


 その言葉に調子を良くした俺は、更に、口を滑らせていく。


「それでね、『今死んだら勿体無い!もっと面白いことしてからの方がよっぽどマシだろ!例えば変な部活作るとかさあ!』って言われちゃったんだよねー」


「全然そんなこと無かったわむしろもっと最低だわというかあんな糞ヤローのこと見直したとか言ったちょっと前の私を殺したいぐらいだわ」


 その言葉にげんなりしたのか、余計肩を落とすネェさん。どうやらさっきの自分が許せないようだ。

 ちなみに、英ちゃんはなんとなくわかるかもしれないが、さっきの回想で、俺の自殺を止めた奴だ。


 そろそろ本題に入ろうと思い、言葉を切りだした。


「まあ、そんなわけで部活、作ることにした!…でさ、もし良かったらネェさんにこの部活に入って欲しいんだ」

「…まあ、内容によるわね」

「ええと、内容は、自殺志望の奴を集めて傷の舐め合いをする、名づけて自殺倶楽部!!」


 そう言い切ると、ネェさんは苦笑いをした。


「いろいろ最悪ね…まあ、しょうがないから入ってあげるわ。確か二人からでしょ、同好会」


 そう言って、ネェさんは俺にヨロシクと言って、手を差し出した。…マジでか。

「ほ、ほんとに!ほんとにいいんだな!」

「だって放っておけないもの、アナタのこと。…それにあながち私も人のこと言えたわけじゃないもの」


 そう言ったネェさんの顔には翳りがあった。だが、俺には最後らへんに言った言葉を聞き取ることができなかった。


「ん?…まぁいっか!それじゃあ、さっそく理事長室に行こう!」

「待って、なんでそうなるのよ」


 そう言って呆れた顔をするネェさん。たしかに今のは説明が足りなかったかもしれない。


「えーっとね、英ちゃんが言ってたんだ。『俺の名前を出せば嬉々として理事長は協力してくれるぞ(笑)』って」


 あの時の英ちゃんの顔は輝いていたなあ。


「嫌な予感しかしないわ…。もう勝手にして頂戴」


 そういってネェさんはため息をついた。そして、諦めたかのようにガックリと肩を落としたのだった。

そんな元副会長改め、部長でした。皆さん気軽に部長と呼んであげてください。

 一応、いつか書く予定の王道小説に出てくる人物なのですが、この話はこの話で独立してます。というか、こっちが先に思いついた話です。

 分類的には会長✕副会長なのですが、会長が元副会長の気持ちに気づかない限りは、そう遠くないうちに元副会長が死んでしまいますね。まぁ、コイツ(会長)は今付き合ってる王道主人公にメロメロ(死語)なので、よほどのことがない限り気づくことはないでしょう。

 ちなみに、ネェさんは超強い不良ですが、元副会長とBL展開になることはないです。

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