表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

名字戦国時代

作者: puru

 ある日の事。いかにも偉そうな椅子に佐藤が座っていると、扉を開けて、書類を持った佐藤が入ってきた。

「佐藤様。今日の報告に参りました。」

「もうそんな時間か、話せ。」

「はい。西日本では、今日も、田中から改名するものが、増加しているとのこと。東日本では、昨日一昨日と続いて、特に何もありません。鈴木、高橋も今は落ち着いています。」

「ふむ・・・そうか。平和なのはいいことだが・・・」

その時、扉が勢いよく開かれ、息を切らしながら佐藤が飛び込んできた。

「佐藤様!、大変です!!」

「どうした?」

「つい先ほど、鈴木から、即刻改名しなければ戦争を仕掛ける、との旨が」

「なに!?。佐藤、どういうことだ?」

「「はい」」

「いや、あの・・今伝えに来た方の佐藤よ、それは本当か。」

「本当でございます。」

佐藤は頭を悩ませた、数では鈴木に勝っている。だが、最近若者の佐藤の名字離れが深刻で、佐藤には若者が少ないのだ。

「なぜだ、鈴木も佐藤と同じ現状のはず・・・」

また、扉が開き別の佐藤が息を切らして来た。

「佐藤様、鈴木は、若者に人気のある名字に働きかけ、同盟を結んでいるようです。」

「なに!?、それは、ええと、・・二番目に伝えてきた佐藤、本当か。」

「本当です、かなりの名字と同盟を結んでいるらしく、数もあちらが上です。」

佐藤はさらに頭を悩ませた。数でも劣っているのではどうしようもないではないか。

「もはや、改名しかないのか・・・」

「佐藤様!諦めてはなりませぬ!」

「では、どうしろというのだ、佐藤」

「「「はいっ」」」

「ああ、いや、だから・・・ああもう、そもそも、名前が無いのがいけんのだ!こうなったら、皆に名前をつけてやる!!」

「なっ、佐藤様!それだけは、それだけは佐藤様でもゆるせませぬ!」


かくして、佐藤は内部崩壊し鈴木に吸収されたが、同じような混乱が、鈴木含む各名字で起き。やはり名前は必要とのことで、つけられるようになったのである。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] そして今度は絶対に誰ともかぶらないユニークな名前を人々は名乗るようになった、キラキラネーム戦国時代へと突入した。
2015/10/16 08:23 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ