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第2章 巨乳ちゃんこと高木さんと、その胸について その2

 女性陣二人、つまり私と巨乳ちゃんはカンファレンス室に残された。


 でも、この格好のままじゃ実習どころじゃない。私は持っていた裁縫セットで取れたボタンを繕ってあげることにした。



「シャツ脱いで」


「ありがとう」



 ボタンの取れたシャツを脱いだ巨乳ちゃんは下着の上から白衣を羽織った。白衣ってのは襟が深いから、胸元が露になる。本人は気にしていないみたいだけど、正直私は眼のやり場に困った。


 さっきまでの「エロ電波」は、男性陣がいなくなったせいか、ほとんど治まっている。この場に残留してるらしい微かな思念が時折、頭の中に入ってくるけど、このくらいなら前もって覚悟しておけばどうってことはない。


 というか、この時の私はそれどころじゃなかった。


 どういうわけか、ついつい巨乳ちゃんの谷間に目が行っちゃう。


 何を考えてるんだろう、私は。


 裁縫に集中しなきゃ……。これじゃ、私も「エロ電波」の変態と同じレベルじゃないの。



 はじめにも言ったとおり、私は絶対に百合じゃあない。女の子の白くて柔らかそうでデカい乳の谷間を見ても、それで好きになったりとかキスしたいとか触りたいとか思ったりすることは絶対にない。


 ただ、友達らしい友達がほとんどいない私は同性の女の子の裸も見慣れてない。それで戸惑っているだけなんだ、きっと。



「ジャスミン(仮名)さんって、女の子らしいんですね。お裁縫セットとか」


「べ、別に、普通持ってるでしょ」



 照れをごまかそうとして、ついぶっきらぼうな口調になってしまった。



「あ、わたしだっていつもは持ってるんですよ。今日は遅刻しそうだったから」


「さっきの先生が出席取ってたけど、すんごくいい加減だったわよ。あれならきっとサボりオッケーね。急いで来ることなかったのに」



 ツンデレか、私は? これじゃあ、好きな子を前にした小学生男児だっつうの。



「わたしね、ほら、ダブリだから……なんか心配しちゃって……」


「心配?」


「一昨年、そうだったの。体の調子が悪くて休むことが多かったんだけど、同じ班の人にあいつは怠け者だとかやる気がないとか思われちゃったみたいで……それで、これじゃいけないって、思い切って去年一年休んだんだけど……」



 巨乳ちゃんは、いつの間にか大きな瞳をウルウルさせていた。


 下着に白衣っていう格好が格好なんで、なんだか私がとんでもなく悪いことをしたような気分になってくる。


(この子ってば、胸が大きいだけじゃない……なんて女子力なの!?)


 私の女子力スカウターが、ボンと音を立てて爆発した。もし私が、男だったら一発でノックアウトされてるぞ。



「だ、だからって、髪ぼさぼさで胸はだけて登場したんじゃ、そっちのほうがみんなに変人扱いされるわよ。だいたいうちの男子みたいな変態集団にそこまで気を使う必要は全くない。ケータイ出して」


「えっ?」



 私は、彼女の携帯電話と赤外線通信を交わした。



「もしまた遅刻しそうになったら、私に連絡しなさい。上手くやっといてあげるから」


「ジャスミン(仮名)さん!」


「何?」


「かっこいい! わたし、ジャスミン(仮名)さんに惚れちゃいました。ジャスミン(仮名)さんは聞いてたとおりの人です」


「聞いてたって? 誰に何を?」


「……ええと、ジャスミン(仮名)さんのお友達です。ジャスミン(仮名)さんは、クールで、かっこよくて、とっても男らしい人だって。これからもよろしくお願いします!」



 私の友達って誰?


 問い返す間もなく、巨乳ちゃんは携帯電話を握ったままの私の手を取ってブンブンと振った。ブンブン振ると、大きな白い胸がブンブン揺れる。



「別に、そんなオーバーだって、や、やめなさいよ。ケータイ壊れるから」



 その夜も私は夢にうなされたけど、出てきたのは例の「エロ電波」じゃなく、巨乳ちゃんの大きな白い胸だった。


 夢の中でも、彼女の胸はブンブン揺れていた。


 ひょっとして、私もノックアウトされてしまったんだろうか?


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