螺旋階段
螺旋階段を登る
登る
登る
登る
ゆっくりと
優しい音楽を奏で
軽やかなステップで
螺旋はぐるぐる
スパイラル
僕は目が回った
だがそれが心地好くさえ感じる
ふらつきの甘美なるまどろみ。平行感の消失。
螺旋階段はまだまだ続く
6666段の螺旋階段。
悪魔の螺旋階段
サタンの造りし錬成物
誘惑な美を持つフォルムと魔法にかけられた空間
余白の多いノートのようなデザイン
無地のキャンバスに鉄の錆がこびりつく
手すりは掠れてボロボロ
足元は狭い
やがて天井が見える
ステンドグラスの煌めきや光沢の小綺麗さ
大天使の堕天の絵図。張り付けの神。場違いな果実。
侮蔑と嘲笑のイメージ
憐憫。
輝くのは悪魔の暗き瞳
石のような死んだ眼をしている
彼?彼女?はじっとこちらを見ていた。
ふと足元を見ると足場が消え、下に落ちた
ぶちまけられた内蔵。死んだ心
無の世界
彼は死に際に天使の微笑みを見た