最終話 春の鈴蘭
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四年後。
王都ルミナリアは、春を迎えていた。
王城の庭園では、白い花が咲いている。
鈴蘭。
春の訪れを告げる花だった。
王城の礼拝堂には、多くの人々が集まっていた。
王族。
貴族。
騎士。
そして友人たち。
今日。
第四王子ルシアン・ヴァルセリオンと
ヴェルディエ公爵令嬢ミレイユの結婚式が行われる。
ルシアンは十八歳になっていた。
黒髪と紫の瞳。
少年だった面影は残っているが、すっかり青年になっている。身長もミレイユをこえた。
そして。
彼の隣にはミレイユがいた。
若草色の髪。
穏やかな笑み。
昔と変わらない。
いや。
少しだけ、柔らかくなった気がする。
二人は並んで立つ。
誓いの言葉が読み上げられる。
ルシアンはミレイユを見た。
初めて会った日を思い出す。
緊張して。
目も合わせられなかった。
歴史の話をして。
鈴蘭の花を贈って。
美術館に行って。
少しずつ距離を縮めてきた。
ルシアンは静かに言う。
「これからも
よろしくお願いします」
ミレイユは少し笑った。
「こちらこそ」
その声はとても穏やかだった。
礼拝堂の外では。
春の風が吹いている。
庭には鈴蘭が咲いていた。
ルシアンは思う。
あの日。
初めて贈った花。
それが。
今日も咲いている。
歴史はこれからも続く。
王国も。
聖女も。
そして。
二人の人生も。
春の鈴蘭の香りの中で。
新しい物語が始まっていた。
―完―
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
「聖女召喚で婚約破棄された公爵令嬢ですが、六歳年下の第四王子と再婚約することになりました」はこれで完結となります。
最後までお付き合いいただき、心より感謝いたします。
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ここまで本当にありがとうございました。




