2+2=4(伊達×江藤)①
グループワークなのに日高と根岸がイチャイチャしている。イチャイチャは語弊があるだろうか……じゃあ、仲良し? こいつらくっつくだろうな。好きな奴とくっつくのが一番いい、と隣の伊達をちらりと見る。
「……伊達はないわ」
伊達が片方の眉を上げて俺を見る。
「なに?」
「なんでもない」
絡まれても面倒だから、適当に答えておく。伊達は「ふーん」と俺の顔を覗き込み、すぐに興味を失ったように椅子の背にもたれた。適当な性格っぽいな、というのが伊達に対する印象。
でもディスカッションタイムでそんな伊達がきちんと発言するのを聞いて、不真面目そうでも意外ときちんと考えていることを知った。日高は見た目どおりな優等生な発言、根岸は日高に促されて頑張って話しているという感じで、実際は俺が一番適当なのかもしれない。
じゃんけんで全勝した俺はやたらコツを聞かれたけれど、コツなんてないから答えられない。こんなの感覚だろう、と言ったら根岸に尊敬されてしまった。
このグループワークがきっかけで四人で行動することが増え、気がつけば仲のいい四人組というくくりになっていた。
四人でいても、基本日高と根岸がくっついているから、自然と俺は伊達とふたりになる。でも。
「……伊達はないわ」
つい呟いてしまう。
「おまえ、失礼だな」
「聞こえてたか」
「聞こえるように言ったんじゃねえの?」
そんなわけない、と言おうとしたら、ぬっと伸びてきた伊達の手で髪をぐしゃぐしゃと撫でられる。
「俺は江藤、いいと思うけど?」
「は?」
「わからないならいーよ」
伊達は笑って更に俺の髪をぐしゃぐしゃにした。直すのが大変だからやめろと言ってもやめないから参った。