2+2=4(健吾×時也)⑥
夕方になり、最後はやっぱり観覧車かな、と日高が言うので観覧車へ。また日高と俺はふたりで乗せられる。
「……ほんと、伊達も江藤もお節介なんだから」
ゴンドラに乗ってすぐ、日高がぽつりと言う。
「どういう意味?」
「わからない?」
「……?」
頷くと、日高が困ったような表情で笑った。それが少し切なく見えて、心臓がきゅっと締めつけられて苦しくなった。日高から目が離せない。無言で見つめ合い、もうすぐ頂上というところまでくる。
「根岸が好き」
「!」
驚きと信じられない思いで日高の瞳を見つめると、日高は一度視線を床に落とした。
「振ってもいいよ」
とても寂しそうに微笑むから、見ている俺が泣きたくなる。
「振らない! 俺だって日高が好き!」
慌てて自分の気持ちをそのまま言うと、日高がぽかんとした顔をする。
「あ……」
恥ずかしい……! 告白するときは、もっとしっとり綺麗に言いたかったのに!
どうしていいかわからず、俺は恥ずかしくて俯く。少しして「まもなく頂上です」とアナウンスが流れた。
「手、握っていい?」
頷くと、日高が俺の両手を取り頂上でぎゅっと握った。そのままふたりで無言のまま手を握り合う。なんだかわからないけれど、そうしていたかった。
ゴンドラを降りて、後から降りてきた伊達と江藤と四人で遊園地を後にした。