2+2=4(健吾×時也)③
「じれったい」
背後から頭を小突かれて、振り返ると伊達だった。隣には江藤もいる。四人で揃うのは久しぶりだ。
「根岸さぁ……」
「それはここでは言わないで……!」
「だったらさっさと言えよ」
江藤と伊達が呆れ顔で俺を囲む。こそこそ話をしていたら身体がうしろに引っ張られた。日高が俺の腕を掴んで自分のほうに引き寄せたんだ、とわかったら疑問符が頭の中にふわふわした。伊達と江藤は顔を見合わせている。日高のこの行動はどういう意味だろう、と日高を見上げるといつもの笑顔を浮かべている。
「四人で遊園地行くか」
「え……」
伊達が突然そんなことを言い出し、なんで急にそんな話になったんだろうと俺が更に頭の中の疑問符を増やしていると、江藤もその話に乗っかり、日高も「いいね」と言った。ついていけない俺を置いて、三人でさくさく話を進めている。
「次の日曜日でどう?」
「根岸は大丈夫?」
伊達の言葉に、日高が俺を見るのですぐ頷いた。お小遣いはまだ残っているし、お年玉の残りもあるから大丈夫だ。
遊園地……わくわくするのに、もっと日高が好きになりそうで少し怖い気持ちもある。でも、やっぱり楽しみ。