表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

#06 森へ

翌朝、私とリナは村の外れで準備を始めた。リナは弓と矢筒を背負い、私は村人からもらった短いナイフと小さなリュックを手に入れた。中には干し肉と水、それに簡単な地図が入ってる。

「ノア、戦うのは苦手そうだけど、大丈夫?」

リナがからかうように聞いてきた。

「戦うより考える方が得意だからね。ピンチになったら頭で切り抜けるよ。」

「頼もしいんだか頼りないんだか。でも、まあいいか。行くよ!」


森の奥へ

森の中は昼でも薄暗く、木々の隙間から光が差し込むだけ。足元には苔が生え、時折小動物が逃げる音が聞こえる。リナが先導しながら、時々立ち止まって周囲を警戒する。

「魔狼より厄介なのが出るかもしれない。気をつけてね。」

「了解。ところで、その光ってどんな感じだったの?」

「村の噂じゃ、青白くてチカチカする光だって。夜になると見えやすいらしいよ。」

「青白い光……エネルギー反応か、魔法的な何かか。仮説を立てるにはまだ情報が足りないな。」

しばらく進むと、空気が急に重くなった気がした。リナが手を上げて止まる。

「何かいる。気配が変だ。」

私も目を凝らすと、木々の向こうに確かに光が見えた。青白くて、まるで電気がスパークしてるみたいに点滅してる。

「これか……近づいてみる?」

リナが頷き、二人でそっと光の方へ進んだ。


光の源に近づくと、そこには奇妙な光景が広がってた。地面に浮かぶ青い球体があって、周囲に小さなひび割れみたいなものが浮遊してる。まるで空間が歪んでるみたいだ。

「何だこれ……ポータル?」

私が呟くと、球体から低い唸り声みたいな音が響いた。次の瞬間、ひび割れから黒い影が飛び出してきた。

「魔物だ!」

リナが叫び、弓を構える。出てきたのは、さっきの魔狼より小さいけど、鋭い爪を持った蜘蛛みたいな魔物。3匹が一気にこっちに突進してきた。

「まずい、囲まれる!」

私は慌てて周囲を見回し、近くの岩を手に持った。

「リナ、右のやつを狙って!私が左を引きつける!」

岩を投げると、左の蜘蛛がそっちに気を取られた。リナの矢が右の蜘蛛に命中し、一匹を仕留める。

「ナイス!残り二匹、どうする?」

「音だ!何か鳴らせるもの――」

リュックから水筒を取り出し、岩に叩きつけた。

「カン!カン!」

金属音が響き、蜘蛛たちが一瞬動きを止める。その隙にリナがもう一匹を射抜いた。

最後の蜘蛛が私に飛びかかってきた瞬間、リナが矢を放つ。

「シュッ!」

矢が蜘蛛の頭を貫き、私の目の前で倒れた。

「ふぅ……助かった。ありがとう、リナ。」

「こっちこそ。アンタの音作戦、やっぱり使えるね。」

戦闘が終わり、私たちは青い球体に近づいた。近くで見ると、微かに振動してるのがわかる。

「これ、魔物を生み出してるのかな?原因を突き止めないと、また出てくるよ。」

私が手を伸ばそうとすると、リナが止めた。

「待って、危ないかも。何か感じる?」

「うーん、データベースがないから感覚頼みだけど……エネルギー反応っぽい。壊せば止まるかもしれないけど、リスクはある。」

その時、球体が急に光を強め、甲高い音が鳴り響いた。

「まずい、反応が――」

次の瞬間、光が爆発的に広がり、私とリナを飲み込んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ