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先生、その回答にマルはもらえますか?


 問1。なぜ魔法が来る方向も見ないで、スバルを助けることが出来たのですか。

 問2。うなじに隠されていた女生徒の、バイオレット・キーラインに気付いたのはなぜでしょう。

 問3。初めて聞く聖女殺しの情報に、全く動揺しなかった理由を述べよ。


 全ての答え。それは私が前世でこの世界を舞台にした、BLゲームをプレイしていたからです。




(い、言えないっ……!!)


 私は汗をダラダラ流しながら、フリルまみれのエプロンをスカートごと握りしめた。

 反論しなくては、このままどこに連れていかれるかも分からない。

 けれど本当のことを言ったところで、頭のおかしい人間扱いされるのは目に見えている。

 これはまさかまさか。詰んだんではなかろうか。

 牢屋に入った自分の姿と、その上からBADENDが落ちてくるところまで想像して、私は必死で首を振った。

 まずい。まずすぎる。


「我が君。お言葉ですが、3階から落ちた後のアンジェリカの様子は、演技で出来るものではありませんでした」


 思わぬところからの援護射撃に、私はほぼ半泣きの顔を向けた。

 今まで口を閉ざしていたアルからの助け舟だった。


「それに、間者であるならば、わざわざ自分から石の位置を我々に教える必要はなかったのでは?」


 そうそれ!それよ!

 私はアルの言葉に必死で頷く。

 私の今まで行ったことは、全く何も考えてない、その場限りの思い付きの行動である。

 自分で言ってて悲しいが、つまり、私の行動には、本当に何にも意味はないのだ。


(そんな奴がそれこそスパイなんて出来るはずないじゃない!お願いそこにフォーカスしてよ!!)


「だが、一般の人間が知らない事を知っていたのは事実だろ?」


 それでもレオンは疑念を引かない。なんて頑固なヤツなんだ。


「あのっ」


 私が唸り声で威嚇しそうになる前に、口を挟んだのはアイリスだった。

 その顔色は悪く、けれど何かを語ろうと決意をしている顔だった。

 レオンもそれを感じ取ったのだろう。優しげにアイリスに声をかける。


「アイリス、どうしたんだい?」

「アンジェリカは……、アンジェリカは、本当にただ、知っていたんだと思います」

「アイリス!?」


 突然何を言い出すのかと思い、私は思わず声を上げる。


「ごめんねアンジェリカ!あなたがずっと秘密にしたがってたの知ってたけど、でもコレを言わないと……!」

(待て待て待ってアイリス。一体何を言う気なの!?秘密?え、私が転生したのをアイリスは知ってる!?)


 何を伝えようとしているのか全く見当もつかず、私はただ固唾を飲んでアイリスの口が開かれるのを待つしかない。


「レオン様、先ほど私はアンジェリカは変な事をよく口にすると言いましたね」

「そうだね」

「それは彼女が幼い頃からそうでした。一緒に暮らしていた子たちは、アンジェリカがまたおかしい事を言ってるって笑うだけでしたけど。私だけは気付いていました。アンジェリカは、アンジェリカは未来を知ることができるのです!」


(え?)


「ごめんねアンジェリカ!秘密にしてたんだよね。だから大きくなってから、昔に比べて未来の話をしなくなったんだよね。でもレオン様、そうなんです」

「どう言うことだ?」


 ポカンとした私を置いて、アイリスとレオンは会話を続ける。

 え?私未来が見えたの??





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