#13長期依頼
「なんだかんだで俺たちのランクもCランクになったな。」
「パーティメンバーが4人になってから色々な依頼を受けたもんね。」
零夜の呟きに雫が答える。
「この依頼、いいんじゃないでしょうか。」
ユイナが1つの依頼用紙を持ってきた。
「なになに。王都のギルド本部まで手紙の配達?」
「長期依頼になりそうね。」
アイナが反応する。
「俺は一度行ってるから、転移門を使って一瞬で行けるけど。」
「それじゃあ旅の楽しみが無くなるでしょ。」
アイナが呆れ気味に言う。
「たまにはのんびり行くのもいいんじゃない?」
「それもそうだな。」
雫の提案を零夜が受け入れる。
「じゃあ、受けて来ます、ね。」
ユイナがカウンターに依頼用紙を持っていく。
「どうやって王都まで行く?」
「無難に馬車でいいんじゃない?」
「そうね。片道5日ぐらいだったかしら。」
「馬車の御者は誰かできるのか?」
「私はできないよー。」
雫が笑って言う。
「あたしとユイナはできるわ。」
「アイナとユイナに任せてもいいか?」
「いいわよ。」
「ありがとう。」
零夜がアイナに礼を言う。
「受けて、きましたよ。」
カウンターの方からユイナが帰ってくる。
「準備もあるし、出発は明日にしよっか。」
「なら、手分けして準備するわよ。あたしはユイナと馬車の手配に行ってくるわ。」
「私はギルドの図書館で王都までの道を調べてくるね。」
「俺は他の必要なもの調達してくる。」
〜次の日〜
「にしてもどうして手紙を届けるだけの依頼がCランクなんだ?」
「おそらく、王都までの時間や、その間の魔獣の襲撃、が関係あるのではないでしょうか。」
零夜の質問にユイナが答える。
「王都の周りは魔獣がいない代わりに、王都までの道のりには強い魔獣が多いのよ。」
「そうなのか。」
ユイナが言ったことに御者台にいるアイナが補足をつける。
「戦闘は避けられないか。」
「そうなるね。」
雫が笑顔で応える。
「雫さん、とても楽しそう、ですね。」
「当たり前じゃん。みんなで長旅なんて初めてだから楽しいよ。」
いつもよりテンションが高い雫が言う。
「そういえば零夜。前に王都に行ったことあったわよね。」
「ああ。だから前に武器屋に行っただろ。」
「そうよね。依頼で初めて行った時よね?」
「確かそうだったな。」
「その時2日で帰ってきたけど、どうやって行ってきたの?」
「確かに!」
雫が「今気づいた!」というような反応をする。
「言ってなかったか?浮遊魔法で丸1日飛んで、そのあと転移門で帰ってきた。」
「相変わらず次元がおかしいわね。」
アイナが御者台からツッコミを入れる。
「それ、依頼達成が早すぎて受付嬢の人に、疑われません、でした?」
「最初は疑われたけど目の前で実際に浮いてたり、転移魔法見せたりしたら納得された。」
「そういうことでしたか。」
「そろそろ今日泊まる街が見えるはずよ。」
「そうか。ありがとうな、アイナ。」
「いいわよ。この位。」
すると前に冒険者らしき2人が魔獣の群れに囲まれているのが見えた。
「アイナ!」
「わかったわ!」
零夜が声をかけてすぐ馬車が止まった。
「零夜。私達も一緒に戦うよ。」
「ああ。」
零夜が答えると雫とユイナが馬車から降りてきた。
「アイナ!魔獣の数は?」
「10体!」
アイナが声を張り答える。
「了解!」
そういう言うなり零夜は冒険者の方に向かっていく。
「手伝います!」
「助かる!」
魔獣と戦っている1人が言う。
どうもyananeくんです。
毎度のことですが投稿が遅れました。すいません。
暑い夏。クーラーがあるとはいえ、モチベーションが上がらす今の状態です。こういう話を書くのって全て1から考えるのでモチベーションは大事ですね。頑張ります。
ではまた。