#11王都へ行こう!
〜オリハルコンゴーレムの討伐依頼から1週間後〜
「やっちゃったなあー。」
オレンジ髪でロングの少女、アイナが中心で真っ二つに折れた自分の長剣を見ながら言う。
アイナは少し前のソルダートアントの討伐依頼で長剣をダメにしてしまっていた。きっとオリハルコンゴーレムの依頼時に傷んでいたのだろう。
「ソルダートアントの殻は硬かったねぇー。」
雫が頬杖をつきながら言う。
「ねえ、零夜。前に1人で依頼を受けて王都の方へ行ったことがあったわよね?」
「確かにあるけど。」
「じゃあ転移門を開いてよ。」
「この街にも武器屋はあるだろ。」
「気に入る長剣がなかったのよ。あと出来れば魔剣が欲しい。」
「魔剣?」
魔剣とは魔法付与のされた剣のことで使用者の能力を上げたり、剣自体の能力を上げるものだ。
「そう。出来れば重量軽減とか敏捷度上昇辺りかな。」
「それっぽいのは見たけど。」
「本当!?」
アイナが身を乗り出して言う。
「ああ。ただ、今もあるかは知らないぞ。」
「零夜。今すぐ行こう。」
「今すぐかよ!?」
「当たり前よ。売れちゃうかもしれないじゃない。」
「ちょっ!わかった!わかったから腕引っ張らないでくれ!痛えから!」
零夜は半場強引に、、、否、強引に連れていかれた。
「金はあるのか?」
「ギルドから下ろしてきた。」
「用意周到だな。」
「当たり前よ。」
「ここだ。武器屋シュヴェールト。」
「いい雰囲気じゃない。品揃えも良いし。」
「その分高いけどな。」
「いらっしゃいませ。何かお探しでしょうか?」
中に入ると奥から店員さんが出てきた。
「魔法付与のされた長剣を探しているんですけど。あります?」
「それでしたら、奥の棚の左の方にいくつかございます。」
「ちょっとそれ見せてくれないかしら。」
店員さんは2つの長剣を持ってきてくれた。
「こちらの魔剣は攻撃力上昇の魔法付与がされていて、使用することで攻撃力が2〜3倍程に上昇します。」
そう言って少し反りのある長剣を見せてくれる。
「そして、こちらの魔剣は敏捷度上昇の魔法付与がされていて、使用者の全ての動きが2〜4倍に上昇します。」
さっき見せたのと反対の手に持った反りの無い長剣を見せてくれる。
「敏捷度上昇の魔剣の方を貰うわ。いくら?」
欲しかった効果の付いている魔剣を選び、値段を聞く。
「光銀貨8枚となります。」
「零夜。」
「なんだ?」
「光銀貨1枚足りないから貸してくれない?」
「確認してなかったのかよ。」
そう言って零夜は光銀貨を1枚出す。
『今日は振り回されたな。』
「アイナ。あそこの路地から街に戻ろう、、、。あれっ?」
アイナの姿が無い。と思ったらアクセサリー店のディスプレイのネックレスを熱心に見ていた。
「欲しいのか?」
「あっ!零夜!嫌っこれはそのユイナ、、、そう!ユイナに似合うかなって!」
零夜が声をかけるまで気づかなかったのかアイナは軽くパニックになっている。
「ユイナに似合うんだったら、アイナにも似合うと思うんだけど。2人とも同じくらい可愛いと思うし。」
「かっ可愛いとかそんな、、、でもお金ないし、、、。」
「なら俺が買うよ。俺が買ってアイナにあげれば問題ないだろ。あと、みんなにも。」
「えっ?」
「アイナはあれで決まりとして、ユイナには、、、アイナと同じデザインで色が違うのかな。雫には少しだけデザインが違う、、、これかな。」
「すいません。あれとこれと、あと表に置いてあるネックレスをください。」
「はい。分かりました。合計で銀貨16枚になります。」
零夜は代金を払い店の外に出る。
「アイナ。ちょっと後ろ向いて。」
「うん。」
零夜はさっき買ったネックレスをアイナの首にかける。
「ありがと、、、。」
アイナが少し頬を染めながら言う。
「じゃあそこの路地から戻ろう。」
「分かったわ。」
「ただいまー」
「あっ零夜。お帰りー」
雫が出迎えてくれる。
「ユイナは?」
「ユイナなら部屋にいるよ。呼んでこよっか?」
「あっ。ちょっと待て。」
「何?」
「まあいいから後ろ向いて。」
雫の首に買ってきたネックレスをかけてあげる。
「わぁっ。ありがとう!」
雫は上機嫌でユイナを呼びに行った。
「零夜さん。何ですか?」
「ちょっと後ろ向いて。」
2人と同じようにユイナの首にもネックレスをかけてあげる。
「ありがとうございます。」
「喜んでもらえたみたいで良かったよ。」
「何、零夜君。プレゼント?」
「まあそんなとこです。」
「ふーん。」
ニヤニヤしながらノアさんがこっちを見ているのに零夜は気づいていないが、3人はその視線に気づいたため、一気に耳まで真っ赤にしていた。
どうもyamaneくんです。
約3ヶ月間の間投稿しておらずすいませんでした。m(_ _)m
次は1ヶ月以内の投稿を目標にとして投稿していきます。これからもよろしくお願いします。
ではまた。