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プロローグ
数年ぶりになろうで新作を公開してみました。慣れないところが多々ありますが、暖かく見守っていただければ幸いです
ぎしりーーーーーー
真上からそんな音が耳に届き、身体に大きな影が掛かる。
ふと視線を上げるとその先にはそれまで支えていたであろう支柱から外れ、電飾のケーブルらしいものによって辛うじて宙ぶらりんになった大きな看板。
ーーああ、アレに潰されたら死ねるかなーー
次の瞬間、ブチッと音を立てて大きな影が落ちてくる。
スローモーションの世界で近づいてくる看板も、耳を裂くような通行人の悲鳴も、何もかもを他人事のように眺めていた。