邪教・暴竜、そして真実の愛(8)
ノックはトシの監視を怠ったルーダに怒りを覚えていた。もっと早くモンデル教との繋がりが分かっていれば手の打ちようはあったのだ。正直なところ、何をどう監視していたのか? 今後の事を考えるとケジメが必要であると判断していた。
そんなノックが会館の自室に戻るとルーダとアユタヤが土下座で待っていた
「ノック様、申し訳ございません!」
「自分から謝りに来たと言う事は、やっぱり監視を怠っていたようやな」
「え? 何の事でしょうか。トシやタカの監視を怠った事はありませんが?」
「なら、何でアイツ等がモンデル教と連んでいた事を報告せなんだ!」
「モンデル教?」
「亜メリーの集団のこっちゃ。胸の大きな女性を襲う痴女集団や」
「二人がよく覗き見しているあの女性達ですか? それでしたら知ってましたが、見て喜んでるだけでしたし接触はありませんでしたから報告の必要はないと思いまして」
「見てるだけ?」
「はい。日に5〜6回」
「確率良すぎやろ? おかしい思わんかったんか」
「一緒になって楽しんでましたから」
「アンタ、ちょっと裏行こうか……」
「アユタヤはん、後にしてんか。コイツに物を頼んだワシがアホやったんや。
ほな、今日は何の用で来たんや?」
「実は暫く街を離れようと思いますので、ご許可頂きたく思いご挨拶に伺いました」
「ルーダはともかくアユタヤはんは痛手やな」
「ノック様〜、それは…」
「アホの監視一つ満足にようせん役立たずは要らん。
ところで、なんでまた」
「この街にドラゴンが近づいている気配がしまして、情け無い話ですが怖くて仕方ありません。街に来ていた里の者も怯えて逃げ帰っております」
「ドラゴンが? ホンマか?」
「なまじ感知できるので震えが止まりません。このままでは何のお役にも立ちませんので」
「残念やけど、アユタヤはんがそう言うなら仕方がないわな。また帰ってきてくれるか?」
「ドラゴンの脅威がなくなれば直ぐにでも」
「元気でな…」
固く握手を交わし、アユタヤはノックの部屋を辞去した、逃げようとするルーダを引きずって。
助けを求めるルーダの声が谺する。
部屋に残されたノックは独りごちた。厄ネタが一つ増えたと。
ボタン間違えて投稿してしまいましたが、切りもいいので本日ここまで




