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NDK黙示録  作者: つくも拓
第1章 モキータ編
31/72

魔王降臨(エピローグ)・邪教・暴竜、そして真実の愛(プロローグ)

なんでこうなったの?

3人の監査官達は頭を抱えていた。

魔王を降臨させたのである。しかも第4階梯に昇格したあのダンテ・カワダン師がファイルを作成したのである。

その結果、魔王は酒席でごく普通の女の子に「わ〜、やられた〜」でお終い?

魔王討伐ってのは神託で選ばれし勇者が仲間達と共にチートな武器を手に苦労に苦労を重ねて達成するんじゃなかったの!?

しかも、武器がハリセン?

で「魔王は結婚して幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし」で終わるの?

なんか違うよね!!

おまけにカワダン師は神具が戻ってきた後ずっと何か考え込んだままだし。

あの街には何か加護が与えられている?

でも、加護を与えるのも我々の権限だし……

もしかして呪われている?

そう言えばカワダン師は先の内乱で活躍したんだったよなぁ。もしかして、その時のことが原因で誰か上の方の人に恨みを買った?

じゃ、カワダン一党じゃなければ上手くいくのではないか?

溺れる者は藁をも掴む。

しかし、その藁になってくれる者がいなかった。当然である。上位階梯の方が上手くいかなかったのだ。失敗覚悟でやってくれる者など期待する方がおかしいのだ。

「失敗しても査定には影響させない」

監査官達はそれを条件に公募を行う事にした。上手くいけば棚ぼた。

しかし、なんと言ってもこれまでの結果がパオーンにチチモンダルである。

失敗した後の風評被害を怖れ誰もが尻込みをしていた中、手を挙げたのは1名しかいなかった。

グレーテル・レパーサ。

秀才と言う前評判があったが司政官就任直前に引き籠りになったと聞いている。

「監査官の皆様にお伺いします。本当に何をしてもいいんでしょうか?」

「ああ、構わないよ。街ごと吹き飛ばしてくれても文句は言わない。我等3名の名において約束する」

「参考までに、何をする気か聞いていいかな?」

「チェイズ君を好きにしてみたいんです」

(チェイズって、誰?)

(…ああ、喪われたドラゴンの国の王子だ)

(さすがンラク師。よく覚えておられる)

(検索しただけですよ)

「彼、わたしのストライクゾーンのど真ん中なんです。キャッ、恥ずかしい!」

グレーテルは顔を赤らめモジモジしていた。

(まぁ、イケメンだわな)

(どうします?)

(他にいないし、構わないでしょう)

(ダメ元ですしね)

「グレーテル・レパーサ、そなたに司政官権限を付与する。よろしく頼む」

「謹んで」

監査官達は、うふうふうふふと不気味な笑い声を残して退室して行くグレーテルの姿を見て不安を感じたが、もう任せるしかなかった。おかしな事にならない事を祈りながら。

賽は投げられた。


A&N✳︎74●D●X34187

街に邪教が蔓延り、勇者達の命が尽きる

放浪せし亡国の王子に道が示され

街を襲いし暴竜は鎮められる

然る(のち)、目覚めし王子は真実の愛に触れ

新たな世界へと旅立つ

いよいよ「モキータ」編最終話に突入します。

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