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NDK黙示録  作者: つくも拓
第1章 モキータ編
21/72

魔獣 夜に咆哮す(エピローグ)・魔王降臨(プロローグ)

エピローグとプロローグをまとめました。

なんでこうなった……

監察官達は一様にそう思った。司政官補がファイルを作成したとは言え「魔物」を投入したのだ。

その魔物は全く何もせず捕獲され、恐怖心を刻み込まれておそらくもう何の役にも立たない。

出現した魔獣は……

「チチモンダルの獣って…」

「なんだあの痴女の群は?」

「チキータ君、何か言ってみたまえ」

「……あたしはチチモンダルじゃないもん」

「はァ?」

「あたしはチチ・モンデールだもん!チチモンダルじゃない!!」

何を言ってるんだ、この子は?

「あたしの所為ですか? あたしがチチモンデールだからあんな事になったんですか?

じゃ、兄がやったらコーガン揉みまくってますよね!」

そう言って泣き咽ぶチキータ。

誰もそんな事言ってないと思いながら、コーガンを揉みまくる画面は見たくないなぁと思う監察官達。

異常事態であるとは認識しているのだが、解決の糸口が見えず途方に暮れる一同であった。


「お邪魔するよ」

嗄れ声と共に入ってきた者の姿に監察官達は驚いた。第4階梯に昇格した者にのみ許される黒い上着を羽織り髯を蓄えた姿。

ファオムとチキータの師であるダンテ・カワダンである。

ダンテ・カワダンの名は第3階梯では畏怖をもって語られる。

上位階梯世界で起きた先の内乱ではダンテの作成した神具が制圧の決め手になったからだ。ダンテの作り出した神具は標的と定めた敵に合わせて進化していくのだ。そのため如何なる敵にも効果的なダメージを与えられた。制限はあるもののまさに無敵である。毎回形を変えるため未だ固有の名を持たず『ダンテの神具』と呼ばれている。

その神具の作成者であるダンテの出現に緊張を禁じ得ない監察官達である。

「ああ、楽にしてくんな。

うちの弟子が不細工な事を仕出かしたって聞いてね。様子を見に来たってだけなんだ。

本にすまねェ。これこの通り」

頭を下げて謝るダンテ。

「そ、そんな。お顔をお上げください。カワダン師」

「尊敬するカワダン師に頭を下げられては、我々の方が恐縮してしまいます」

「で、どんな具合なんだい? ちょっくら見せてもらっていいかい?」

「それは願ったりかなったりです」

「実は我々も手をこまねいて居りまして」

「こちらです。カワダン師」


「なんだい、コイツは?」

「なんだと申されても」

「魔物まで使ったんだろう? それでなんでこうなっちまったのかねェ」

「訳が分かりませんでして」

「魔王、使ってみるかい?」

「魔王ですって!」

「魔物でダメだったんだよなぁ。な〜に、責任はオイラが取るよ。うちの弟子の不始末、オイラに取らせてくれねェかい?」

願ったりかなったりである。

「じゃ、魔王を用意してくんな。オイラはファイルを書くからよ。

久しぶりなんで上手く書けるかねェっと」


AS✳︎✳︎734●D●X924

魔王 降臨す

神の御使と呼ばれし二人の勇者を降し街を制す

相貌を崩す者、苦しみに身悶える者 後を絶たず

やがて魔王の言葉が世界を席巻す


カワダンは監察官たっての望みでファイルは前半のみ、後半はミダレをある程度回収してから書く事になった。

その時カワダンに戦慄が走った。

この波動には覚えがあった。

カワダンは慌てて魔王を用意した監察官達の元に走る。

「おい、オメエ等、誰を魔王として降臨させたんだ!」

魔王は闇堕ちした上位階梯世界の住人を受肉させたものである。受肉する事で制限ができるが基本は上位階梯世界の者としての能力を有している。

誰が受肉したかで魔王の力は大きく異なり、被害の規模も様変わりするのだ。

「は? あまり規模が大きくなっても困った事になると思い、第三階梯の者を使いましたが?」

「誰を使ったかって訊いているんだよ!」

「確かノックと」

「バカ野郎! なんてヤツを受肉させてくれたんだ!

ノックはオイラの兄弟弟子で、オイラの神具はヤツを止める為に作られたモンなんだぞ!」

監察官達の顔が一気に蒼褪めた。

「いいか、ノックの能力はな……」

カワダンが語ったノックの能力は二つあった。

一つはフルカウンター。相手の攻撃に対し、それに合わせた的確な反撃を自動で行うものである。

恐るべきはもう一つの能力で、認識の定着と増幅であった。誰かがノックに恐れを抱くとその感覚が増幅されていくのだ。

「つまり、ヤツを倒すにはヤツの防御を一撃で突破できる攻撃を、ヤツを恐れない者が叩き込むしかねェ。

あん時にはサッカータを召喚してなんとか倒したんだ」

「あのザ・フールと呼ばれる…」

「ああ、あのアホをだ」

(……クククッ…ワシを起こしたのはおぬしだったか、ダンテよ)

「ノックか!」

(どういうつもりかは知らぬが、ワシがおぬし達の思いのままになるなどと思わぬ事だ。ではいずれ相見(あいまみ)えようぞ……)

「これは街はおろか星ごと消滅させねばならねェかもしれねェな…」

カワダンの呟きに顔色をなくす監察官達であった。


魔王の降臨は如何なる被害をもたらすのか?

トシ達は街を護る事が出来るのか?

まだ女装くらいしかしていないトシ達の活躍や如何に!?

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