七話
また遅くなりましたすみません
とりあえず、周囲の人が人間じゃない事は判った。
いや、正直解りたくはないが事実としてそこに存在しているので諦めているというのが正しい。
だって人に手足頭以外の物が生えてるんだよ?信じたくないよそんなの。
ともかく、一旦それは置いておこう。
さて、次に確認するべきは、ここの文化レベルである。
それさえ分かれば、大体のことがわかるようになる。
まず調べられるのは、体を包んでいるこの布だ。
肌触りから、大分上質なコットンだと思われる。
先輩がやたらとその辺りに詳しく、「裁縫するなら素材からこだわらないとね!」等と言ってよく付き合わされてたので判断が付く。
これだけの布を作れるなら、かなり技術力は高いだろう。
また、ベッドの横にある台は、綺麗な金属光沢を放っている。
少なくとも、鉄等の金属を精錬、加工する技術があるということになる。それも、かなり精密な加工ができるようだ。
ただの金属板に、はっきりと顔が映りこむなど尋常ではない。
ただ、不可解な点も多い。
金属や木材等はよく使われているのだが、プラスチックやゴム等の、合成樹脂類が全く無い。
ここに無いだけなのかまだ開発されてないのか判断しにくいが、おそらく後者だろう。さすがにプラスチックらしき物が見当たらないのは異常だからな。
一体技術力があるのやら無いのやら。
むしろ技術はあるが科学はないとかなのだろうか?
まあ、生きてりゃそのうち分かるか。
にしても、異形の人達に、技術はあるのに科学はない世界。
これはもしや、魔法とかがあるのでは?
俺、本当に剣と魔法のファンタジー世界に転生したのか?
なら、ゴブリンやコボルト、ドラゴンもいるのだろうか。
そう考えると、断然楽しみになってきたな。
せっかくの転生だ、存分に楽しんでやる!