五話
リアルが色々あって遅れました。スロー投稿にも程があるよね···
やばい、まだ言葉も覚えきれてないのに産まれたら生きていけるかわからないぞ!?
すでに破水もしているようだし、覚悟を決めるか。
っと、体が外に押し出され始めた。
少し緊張してきたな···。どんな家に生まれるのだろうか、優しい親だと良いなぁ。赤子って産まれたとき泣かないといけないんだったっけ?
などと考える内に、既に頭の先が空気に触れている。
そしてついに、俺は、この世界での産声を上げた。
~???視点~
もう体力の限界だ。
視界は霞み、足には力が入らない。
強烈な喉の渇きと空腹感も、最早知覚出来ない。
俺を動かしていた意思の力も遂には消えかけていた。
王都まで数十キロの道のりを休まず走り続けたが、ゴールまではまだ遠い。
だがこの情報は、例えこの命に代えてでも届けなければならない。
眠ることは許されない。一刻を争う事態であり、なにより命を賭して送り出してくれた仲間たちに申し訳がたたない。
しかし体がついてこない。空を飛んででも、地を這ってでも進む意志があるのに、体が限界を迎えたのだ。
そしてついに片膝を付き、そのまま倒れこんだ。
起き上がることはできなかった。右腕がない。左腕も、本来は曲がることの無い方向に曲がっていた。
もう一歩も動けない。
ああ、俺にも物語の主人公のような力があれば、もう一度走れるだろうに。
そんな思いも空しく、俺の意識は霞んでいった──────────
次回からは一話当たりの文字数が増えると思います。