「声明発表」
「ああ。俺が盗み聞きした話からすると、アルクス共は義勇兵コースのやつらを事件の捜査から弾く理由に、『先が無いこと』を上げたんだろ? 力が無いお前らじゃ、この先王国に太刀打ちできない、とかなんとか言われてよ――――悪いがよ。そりゃ事実だぜ。戦闘能力の一つもねえお前ら魔術師コースの連中にゃ、なんにもできやしねえ」
『――――……』
「まあ、そう落ち込むなよ。同じことを、きっと義勇兵コースの奴らも言われたんだろうぜ。アルクスの連中にな――――だがよぉ。俺はアルクス共の言ったことを支持するぜ、悪りィけど」
『!?』
義勇兵コースの面々が、目を鋭くしてファレンガスを見る。
彼は一瞬うんざりした顔で身をすくませてみせたが、やがて彼らを見回しながら口を開いた。
「そうだろ? だって何の信頼もねえじゃねえか、お前ら。生徒会長は休みがちだわ風紀委員長は空席だわ、ついでに弱いわ。そして、お前達の評価を最低まで貶めてんのは間違いなく――――二ヶ月前までに起こった、貴族と『平民』との争いのすべてだ。ドンゾコなんだよ、お前らの信頼は。信用してくれると思うこと自体がおこがましい」
「だったらどうすればいいん――」
「私達に任せて」
銀髪を振り乱したリフィリィの言葉が終わらないうちに、シャノリアが口を開いた。
シャノリアの言葉に、生徒たちの視線が次々と教師らに向く。
トルトだけがそっぽを向いた。
「任せて、って……一体何のことですか、シャノリア先生」
「そのままの意味。このまま蚊帳の外ではいられないし、それに」
「『生徒』というのは教えを受ける人のこと、失敗は君たちの権利なのです。咎められこそすれ、その失敗で致命的な何かが絶たれることがあってはならない」
「な……何を言ってるのか解りませんっ」
「そ、そうですっ! 先生たちは、一体何をしようとしてるんですかッ」
すがるように言うマリスタとケイミー。
シャノリアはニコリと笑い、すぐに神妙な顔になり、言った。
「アルクス及び学長代理による暫定執行部は、嫌疑ありというだけで本校生徒を拘束した。これを許せば、暫定執行部に学府の破壊と改悪を恣にさせ、生徒の自由な学びに向かう心を著しく損なう恐れがあり、決して容認できない。我々教職員一同はこの暫定執行部に、事実と常識に立ち返り、公正で透明な学府運営を行っていただくためにも、当該生徒をすみやかに解放するよう、ここに申し立てるものである。……」
『………………』
ポカン、と口を開く面々。
シャノリアはコホンとひとつ咳ばらいをし、澄んだ水色の瞳を光に輝かせた。
「ケイ・アマセを助けるわ。教師が今使える『力』を、全部使ってね」




