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「教鞭取りし者の弁舌」

「強引……っていえば、その通りですけど。でも、もしかしたらプレジアは、リ――」

「アルテアス!」



 ――ファレンガスの怒号がマリスタを黙らせる。

 黙らされてから、改めて――少女は、自分が魔術師コースの者も混ざるこの場で、とんでも(襲撃者が王国の者であ)ないこと(る可能性があること)を口走ろうとしていたことに気付いた。

 同じく思い至った数名が胸をで下ろす。

 場が静まりかえったのを見計らって、ファレンガスは再び口を開いた。



「……わかってるよ、そんなことは。アルクス共には他に何か狙いがある。そして、お前達にはそれが、自分らの隠し事とつながってると感じられる。そうだろ、義勇兵コースども」



 ファレンガスの目が、義勇兵コースの面々に向けられる。



 実際には、「感じられる」などという予感ではなく、もっと確信めいたものだ。



承知しょうちだとも。そして事が起こったとき、貴様等には王国と対等の立場に立つだけの力も権力も何も無いということもな〟



 彼ら義勇兵コースの面々の眼前で、アルクスの兵士長ガイツが言い放った言葉。



 これはつまり、王国との戦いも辞さぬ覚悟だということ。



 わけ知り顔のファレンガスの視線に、当惑とうわくの視線を返す義勇兵コースの者達。

 しかしマリスタら一部の者は、ファレンガスやアドリーと肩を並べるトルト、シャノリアの姿を見て――――真摯しんしな瞳でもって、答えを返した。



 それを受けてか、はたまた。

 ファレンガスは息を大きく吸い、一度ゆっくりとまばたきをして――――年季の入った笑顔を、子どもたちに返した。



「あとは、だ。……疑いを持ってる奴がいるよな。お前らは――どっちを信じたい」

「え……」



 リグオートを含む数名が、虚を突かれて口を開ける。

 ファレンガスは片眉かたまゆをあげて怪訝けげんな顔をしてみせた。



「おう、お前達か? いやな、気持ちは解るぞ。お前達にしてみれば、義勇兵コースの奴らときたら、お前らと同じくいちプレジア生徒のくせに、さも『部外者はかたるな』って態度なワケだろ? そりゃムカつくってなもんだろ。プレジア全体とは言わなくても、せめて同じ劇を一ヶ月ほど作ってきた仲間の俺達にくらい、腹を割って話しちゃどうかと思うんだろう」

「……そうです。どんな秘密であれ――」

「だがそれは綺麗事きれいごとだ」

「――なんですって?」

「事態は火急かきゅうなんだ、悪いが現実の話をさせてもらう」

「現実の?」

「もしかすっと、『内輪もめしてる場合じゃねえ』って義勇兵の奴らにも言われたんじゃねーか? 仮に義勇兵のやつらを信じないとしたら、お前らはどうすんだってこったよ。こいつらをめ上げても隠し事を聞き出して、そんでお前らが主になって動くか。それとも別の策があるのか。その辺はどうなんだ」

「……!」

「……そうか。その先は考えてなかったか。だとしたら、やはり話さず正解だったと言わざるを得んぜ。アルクス共が語ったのと同じ論理でな」

「? アルクスが……」

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