「望み絶つ、光」
「――――放送?」
『〝風紀委員、そして義勇兵コースの面々に告ぐ。至急、二十二層調練場に集まれ。繰り返す、風紀委員と義勇兵コースの者は全て、至急二十二層調練場に集まれ。以上〟』
「……な、なあロハザー。今の声」
「ああ……たぶんアルクスのバルトビアさんだろ。帰ってきてくれたのか」
声色に希望を滲ませながらも、仕方なくパールゥの拘束を解くロハザー。
ずれていた眼鏡を直し、射抜かんばかりに彼を睨み付ける少女を見もせず、ロハザーは足早に立ち去った。
アルクス兵士長の帰還。
それはロハザーにとって――否、襲撃者に頭を悩ませていた風紀委員と義勇兵コースの面々にとっても、まさに一条の光となる知らせだった。
単なる戦闘だけでない、「戦い」のエキスパート。
彼らが居れば、襲撃者を力で上回ることも可能かもしれない。そしてそうなれば、考え得る策の幅も大いに広がるのだ。
生徒の誰も彼も、ガイツの到着を歓迎していた。
彼の口から、その言葉が飛び出すまでは。
◆ ◆
「これより、プレジア襲撃事件は我らアルクスが担当する。よって今現在、生徒諸君に与えられている事件に関する役目は全て解き、我々が別の任を与える」
『な――』
「ちょ、ちょっと待」
「話を遮るな。アルテアス」
「っ……」
「別の任とは、風紀秩序の維持だ。お前達は大魔法祭の実行委員と連携し、これから伝える内容を、学祭にて催し物を行っている全団体に了解させて回れ」
「りょ、了解……?」
マリスタのつぶやきが、波紋が広がるように風紀委員、そして義勇兵コースの生徒達へと伝染、ざわめきを広げる。ガイツはそれらを冷めた目での一瞥で沈め、口を開いた。
「本日を以て、今年のプレジア大魔法祭は中止とする。今日の祭りの終了時刻までには、全ての装飾や店を解体、普段通りのプレジアに戻しておけ。明日以降の学事の扱いについては追って伝える――――とな」
「――――――は――――――」
「ハァ……!?」「な、何を言って……」「え? 今日で終わんの、学祭」「ちょっと待ってよウソでしょ」「襲撃と関係あんのかな、やっぱり」「いや、だとしても……!」「無理矢理すぎるでしょ……!」「だよな、そんな急に……!」
「――いくつか質問してもいいでしょうか、バルトビア兵士長」
絶句するマリスタの横へと、ギリートがニュッと姿を現し、手をあげる。
ガイツは彼を見もしなかった。
「襲撃事件に関わる質問は一切受け付けない」
「――わお。それマジで言ってます?」




