「遊びは終わり」
「フェイリー・レットラッシュ。お前を拘束する」
「な……!?」
唖然とした一瞬を突かれ、背後のアルクスに両腕を抑えられて固められるフェイリー。可動域とは真逆に捩じられようとした両腕の痛みで、たまらず両膝を着き、ガイツに頭を垂れるような体勢になった。
間髪入れず、ガイツがその頭からゴーグルを奪い去り、部屋の隅へと投げ捨てる。
「………………!」
「相手が相手だ。疑わしきを罰せずにいる暇は無い。しばし反省していろ――――身体検査だ。フェイリーの居室も調べろ」
『はっ』
控えていた別のアルクスがフェイリーの身体をまさぐり始める。
しかし、フェイリーはガイツから目を離さなかった。
「成程。で、あんたはこれからどうするつもりなんだ。現状はさっき話した通りだ、学祭の中で義勇兵らと警備を強化して対――」
「学生共の警備は一切廃止。この件から奴らを一斉追放する」
「――は?」
「すべての義勇兵コース、及び風紀委員の顔と名前の分かるリストを作成しろ」
「はっ」
「奴らは今後徹底監視の対象とする。片時も目を話すな、追って編成は伝える。それと――――そう。ケイ・アマセという生徒を今すぐに拘束しろ。事件解決まで、ひとときも自由な時間を与えるな。無論フェイリーにも、学長にもだ」
「!!?」
「はっ」
「――――ガイツ。お前」
「以後も怪しい動きや本件に関わろうとする者がいた場合容赦するな。全員捕らえて自由を奪え」
「ちょっと待てッ!! どうする気なんだ、あんた。そんなんで一体――」
「解らんというのか? 本当に」
「解らねえよッ! 学祭という隠れ蓑があるからこそ、学生共が対応することで敵に万全以上の体制を整えさせないようにすると報告書にも書――――」
「必要ない。全て明日で撃破し拘束する。よもや、俺達にそれが出来ないと思うか? フェイリー」
「――――相手は王国関係者かもしれねえとも報告したろうがッ!!! 少しはマトモに目を通しておけ馬鹿野郎! 下手に襲撃なんかかけりゃ、内乱だって――――」
「リシディアは腐っても鯛だ。自ら亡国への道を選びはせん。だからこそ、これは大きな……」
「…………?」
「皆、心して聞け」
その場にいる全員に、アルクス兵士長は告げる。
「これは王国とプレジア――――いやさ、アルクスとの最初の表立った対立になる可能性がある。我々の行動が、明日の国の、我々の未来を左右すると思ってことに当たってもらいたい――――明日、作戦を実行する。犠牲を最小限に、立ちまわってくれ。……大魔法祭は、明日で終わりだ」




