「『アクション!』」
「すっっっごくよかったよぉぉおおマリスタぁああ!!!」
「わぷ、ちょ、パフィラあんたっ」
「みんなもそうおもうよなーーーっっっっ!」
『はァい!!!』
「ちょ、誰よこの人たちっ」
「ともだちー! ねんしょうの子もつれてきたー!!!」
『おもしろかったです!』
「わ、わ、こんな小さな子まで……ちゃ、ちゃんと話が分かったかなぁ??」
「いやー解らずとも伝わったと確信しますね私は。それ程にマリスタ、貴女から感じられた熱量は凄まじかったですよ。素人目ですが圧巻の一言です。最後のシーンなど特に」
「な、ナタリーまで……いやぁ、ケイとかバディルオン君が上手いこと私をノせてくれたからだよー」
「あんなカスのような演技が何ですか、間違いなく貴女が一番でしたよ、そしてエリダが惜しくも次点ですね。お世辞でも何でもなく、これは次回以降の客入りは増えますね……しっかり座席を確保、かつ満員にして差し上げますからご安心くださいねっ。映像もバッチリ回すように報道委員各位に厳命しておきますからっ☆」
「と、盗撮は勘弁してね……」
「すっごくカッコよかったですっ、アルテアス先輩ーっ!」
「キャ、見て……近くで見たらアルテアス先輩いっそう美人……!」
『アルテアスさーんっっ!!』
「わ、ま、まったまった。あ、あくしゅは順番にっ……」
「・・・・・・ンの糞女・・・・・・!!!!」
射殺すようなココウェルの視線も、群がるファン達に遮られたマリスタの元へは届かない。
熱気を以て彼女を囲む衆目を、流石のココウェルも蹴散らして進む力は無い。物理的に。
「届いてませんね」
「知ってるっつのクソ!!! いちいち言うなボケッ! ンな暇あったら探せッ!」
「いないみたいですね?」
「探せっつってんの!!!! ああもう、あ゛あ゛ーーー!!!! あのボケイーーー!!!」
「ボケとケイをかけたのですか。お見事ですが解りにくいです」
「殺すぞおま――――」
ドドン、と。
不穏で大きな音が、その場の全員の耳に届く。
『!?』
と同時に。
「――――きゃっ!?」
飛来する大きな何かに身をすくませるココウェル。
それより早くココウェルと飛来物の間に立ち、何かを蹴り飛ばすアヤメ。
何かはうめき声をあげ、重い音と共にと地面に転がった。
「ぐっ……!!!」
「――――な、」
ココウェルが目を見開く。
視線の先に転がったのは――――彼女がずっと探していた、ケイ・アマセその人だったのだ。
騒然とする会場出入口。
何事かと振り向いた客の頭の上から、背伸びしたマリスタの顔が覗く。
さしものココウェルも困惑、何も言葉を発せないまま圭に近づいた。
「ちょ……おま、大丈夫? 何が――」
やがて自分を覆った影に気付き、ココウェルが口を閉じる。
「何があった」。
それは、自分に影差したその男の――――ビージ・バディルオンの怒り顔を見れば一目瞭然だったのである。
「立てよ。テメーにそうやって休んでる権利なんぞあると思ってんのかよっ、『異端』ッッ!!」
「っ!? ちょ、お前何やって――――!!」




