「第2幕、第9場――②」
「じゃあ――――本当に、すべて貰うからね」
「早くやれ! わ、柱の気が変わらぬうちに!!」
「ああ――頼む。アレは神が造り出した罪だ。柱々の命を以て滅すべき存在なのだ」
「…………、ありがとう。あなた達がいてくれなかったら私達、きっと滅びてた」
「ふんっ。礼ならそこの小娘にすることだ」
「小娘って言うなって言ってんだろ何回も! 戦友と呼べ!!」
「調子に乗るな小娘っ!! 柱はお前の説得に応じた訳ではないからな!!」
「はっ! 私があんたの魔術を破るまでは殺す気満々だったクセによく言うぜ!」
「違うと言うておろうがっ! そして負けてもない、あれは柱が魔術を引っ込めたのだ!!」
◆ ◆
「……興味深いな。どうやって神を操った?」
「あんたじゃないんだ。大義や恐怖に頼らなくても、俺達は他人を味方につけることが出来る。役目を外れて自分達の、世界の幸福を追い求められる俺達にはな」
「…………?」
心を尽くして話し、互いを認め、仲間とする。
そんな非常に人間臭い行動を、役目を遂行するだけの神には解り得ない。
いや――「解ってはいけない」という方が、解釈としては正しいのかもしれない。
命を惜しみ、より幸せに生きられる未来を望む。
それは、神にとってはただの堕落であるのだから。
「言ったろう、ゼタン。俺達は、お前達神と共に歩むことが出来る道を探していたと」
〝人間も神も無い、ただ一個の命として、この世界で共に生きていくことは出来ないのか?〟
「――――貴様等は、最初から」
「ああ。最初はプデス、そう計画していた。本来は、クヲンと俺とで話を持ち掛けるつもりだったが――あの戦いからクヲンとプデスは行方不明。死体が上がらなかったからもしや、とは思っていたが……あいつは見事、たった一人だけでプデスの心を溶かしてくれた」
俺達が舞台に出たままに照明が落ち、別の舞台に明かりが灯る。
「連絡の一つくらいよこせばいいのに。僕達、作戦は失敗したって絶望してたんだぞ」
「敵を騙すにはまず味方から、っていうだろ。それに、私とプデスはあのデカブツの星割りパンチからお前もキュロスも助けてやったんだ。あれでチャラだろ」
「無益な争いはよせ。……誰しも必要だった。柱々四人、一人でも欠ければ……タタリタの蘇生は無かった」
キュロスの身体が光る。
まるで綻びのように、彼の身体が――――肩口から、魔力へと還り始める。
『!!!』
「キュロス……あんた、私の回復に魔力を使い過ぎたから――」




