「第2幕、第2場」
「手筈通りいけよ、タタリタ!」
「そっちも頼んだよっ、クローネ! クヲン!! しゃあ――――全員突っ込めぇーー!!!」
「っ!?」
偃月。
タタリタを中心に、一つの槍のようにしてプデスの化身に突撃していく人間達。
客席の間を、裂帛の気合で以て役者達が駆け抜けていく。
「な、何のつもりだ……貴様等ッ!!」
化身のプデスが舞台上で叫び、観客の視線を舞台へと戻させる。
と、空に石の槍が多数出現し、観客席側――走っていった役者達に向けられる。
この辺りの演出方法には詳しくないが――どうやらあの石槍は光属性魔法の賜物のようだ。
しかし、その石槍を障壁で弾き、時には被弾しながらも、人間達はプデスとの距離を詰めていき。
遂に、届いた。
「やあああっ――――!!」
「ぬぅっ!」
石槍を紙一重躱し、プデスに手を伸ばすタタリタ。
眼前のプデスは化身。その、生身では触れることは出来ない存在を、
タタリタの手が、しっかりと捕らえる。
「ッッ!!? バ――――」
「届いたぞ――神に!!」
吹き荒れる魔波。
気合のタタリタ。
苦しげな声を漏らすプデスが力任せに彼女を引き剥がし、地面に叩き付けた。
タタリタは直後飛来した石槍をなんとか回避し――――遠く離れ、戦場を一望出来る高みに陣取るクローネへとテレパシーを送る。
「見つけたよっ! やっぱりあいつ――――近くで化身を操ってる!!」
「ッ!!!? まさか奴め、私の位置を逆探――――」
「行ってクローネ、クヲン!! プデスは――――あの一番低い雲の中にいる!!!」
「よしっ……! 飛ぶぞクヲン! 捕まってろッ!!」
クローネは、しがみ付いたクヲンを抱き。
神の下へと、空を跳ぶ。
地面を割り砕き、空気を引き裂く勢いでプデスの雲へと跳んでいくクローネ。
勢いの衰えぬ弾丸のような速さで迫る人間に動転したプデスは、槍を飛ばすことさえ思い付かない。
客席には風が吹き付け、さながら二人と共に空を跳んでいるかのような演出が成される。
「ば、ば、バ――――バカなァ――――ッッ!?」
プデスが眼前で手を組み。
途端、障壁がプデスを包んでいく。
その障壁に、二人はよく見覚えがあった。
「ッ!! マズいよクローネッ!! あの障壁にこもられたら手が出せなくなる!!」
「くそ――あともう少しなのにッ……」
「――私を飛ばせ!」
「!?」
「早くッ!!!」
一喝。
クローネは考える間もなく、クヲンを抱えた腕を振りかぶり――――彼女を投擲した。
「届けェ――――ッッ!!!」




