「低レベル決戦、決着」
「ちょ、ちょっ……急にそういうこと言わないでよもー!」
「好きなのか。アトロのこと」
「言ったそばからッ?!………………まあ、そうだけど」
「ちゃんと言葉にしてくれ。聞きたいんだ」
「彼氏かっ!………………でもそうだよ。私はアトロが好き。好きっ!」
ちょっと大きな声でケイミー。
目を丸くして赤くなっているアトロ。
何人かの聞こえたらしい外野。
魔弾の砲手を展開した。
『!!』
「行くぞケイミー、アトロ!!」
掃射。
先と同じく、アトロが弾丸の相殺に動く。
「だったらこれはどうだっ!」
打って出る。
弾丸と、共に。
「なっ――」
二人の下へ駆けながら弾丸を放ち続ける。
低すぎる弾道の魔弾の砲手は、その弾幕の中を進む俺にとってリスクしかないが――
「! くそっ、あいつ――!!」
――それも、奴らに近付くまでの話。
「アトロ下がって!!」
「馬鹿っ、あいつの狙いはまさに――」
「大丈夫だからっ!! 構わず撃ってっ!」
ケイミーが弾幕に踏み入る。
弾丸飛び交う爆心地で、俺とケイミーはぶつかった。
「くっ……!!」
アトロの弾丸は止まっている。だろうな。
味方に当たるかもしれない弾に奴が遠慮していたのはさっき見た。
あいつを封じ、一対一に持ち込むにはもうこの方法しかない。
「うっうぐぅっ」
「あああ――――!!」
術理もなにもない拳を、蹴りを、ただただ届きそうな場所に叩き込んでいく。
魔法と白兵を両立させながらの戦闘となれば、今の俺にはこれが限界だ。
背に被弾。
「が――ぅ――!!」
「きぃっ!?――うぁ……!!」
奴も被弾。
上空からランダムに襲い来る魔弾の砲手の雨の軌道は、術者でもその全てを把握し切れない。
そして恐らく――――この状況は、そう長くは続かない。
「アトロッ!!」
「!! ケイミー」
「私――――勝ちたいッ!!」
「!」
弾丸と拳の雨に打たれながら。
少女は、声高に叫ぶ。
「勝ちに行こう、アトロッ! やれること全部やって勝って、それで――あんたに伝えたいことがあるからっ!!!」
「――――――!」
――こりゃ、超えられない。
俺はこの二人に、勝てない。
「――――魔弾の砲手ォォォォォォ――――――!!」
弾幕二倍。
いや、それ以上の――!
「ず、ぁが、ぁ――――!!」
「ぐぁはっ、ぁえ――――!!」
最早戦いどころではない弾丸の暴風雨に、俺とケイミーはただただ打たれ、翻弄される。
〝魔弾の砲手は――連射が基本なのさっ!〟
お前は初めてだろう、ケイミー。だが俺は――――
「三回目なのよっ!!!」
「ッ!!?」
――床を叩き割りながら俺に飛びかかってきたケイミーが、その頭で三発もの弾丸を浴びながら――その左手で俺の右腕を掴む。
「ぶっ――――ごァ――――!!?」
それを認識したときには――――右手で首元に、強烈なラリアットを食らわされていた。
顎ごと首を持っていくその一撃で、俺の身体は完全に宙へ浮く。
浮いて、ケイミーと共に――ゆっくり後ろへ倒れていく。
視界には、降り注いでくる魔弾の砲手。
それはまるで、吸い込まれるようにして――――俺の胸の宝石を、木っ端微塵に打ち砕いた。
全弾丸が炸裂し、会場を白く包む。
「ケイミーッッ!!」




