「やいのやいのと」
魔法世界。
で起きた無限の内乱。
に関わっていた魔女。
が探していた俺。
――の両親。妹。
を奪った、原因の分からない爆発事故。
――――を起こすことが出来る、魔法。そして魔法が存在する、魔法世界。
もしかすると、俺は今――――家族を奪った犯人に、近付こうとしているんじゃないか?
「まあ、魔女になんてそうそう会うことはないとは思うがな。……じゃあついでに、そこで体を傾けて固まってる大貴族の令嬢様にも聞いてみようか。なあオイ、アルテアスッ!!」
「ひぃ??!」
ファレンガスの、マリスタへの叱声で我に返る。
当然のように、令嬢様はその後の質問には答えられなかった。
一コマ九十分の授業の時間は飛ぶように過ぎ、休み時間。
俺のいた高校と同じく、休み時間は十分。授業の準備をしていたらあっという間に終わってしまう時間だが――
「ねえねえ! ケイ君ってこの学校来たばっかりなんでしょ? よかったら今日、あたしらが案内してあげようか?」
「えーっ、ズルい! ねぇケイ君、私もついてっていい?」
「とか言ってぇ、あんたケイ君とお近づきになりたいだけでしょ!」
騒いでいた女生徒達に囲まれる。俺のいた高校と違うのは、そいつらが色とりどりのローブの色と髪色をしていることくらいだ。……逆に言えば、後はほとんど変わらないように見える。
学生という生き物は、やはり「休み時間」を全力で休もうとするものなのか。
「はいはいはーい。どいたどいたー、みなさーん」
そんな人だかりをぐいぐいと押しのけ現れる、マリスタ・アルテアス。
「いったぁい。何すんのよマリスタってば」
「ふふ……案内とかはね、ケイには必要ないの。なぜなら学校の中は……この私が全て案内し終わっているから!!」
胸に片手を当て、勝ち誇ったようにマリスタが言う。とてもとても誇らしげに。一体何をそう誇ることがあるだろうか。今に気付くだろうが、俺と親しいことはこの先こいつらにとって何のプラスにもなり得ない。
しかし、女子達は相当なショックを受けた顔でガクリと地面に膝をつく。
たぶん、マリスタと仲がいい生徒なのだろう。
「ま、マリスタ。あなた……アマセ君と仲がいいの?」
「へっ?」
パールゥに話しかけられ、素っ頓狂な声を上げるマリスタ。




