「汚いコントに巻き込むな」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
『お……おはよナタリー。今日はまた一段と、顔恐いね』
『何がどうして義勇兵コースなどに転属したのですか? マリスタ』
『え? う、うんあの、えーとね。話聞いて?』
『聞いてますが』
『聞こえてないよねそれたぶんね』
『あなたの差し金ですか? 隣から粘ついた視線をくれやがるジゴロ男さん?』
……あまり聞き取れないが、九割九分嫌味を言われているのだろう。
会う度に息をするように悪口を垂れるとは、見下げ果てた人間もいたものだ。こいつのように、外面だけは良くて中身は極悪というタイプにだけは、生まれ変わってもなりたくない。
「あれ、ケイくしゃみ。風邪?」
「特に風邪はひいてない。邪魔なら俺は消えるが?」
「あいや、別に邪魔ってわけじゃないんだけどさ。なんかこう……ナタリーもね? 悪い娘じゃないんだよ?」
「変にフォローしなくてもいいぞ。どんな子だろうと嫌いだ」
「え?!」
「あららケイさん、堂々と嫌いだなんて言ってくれますねぇ。悲しいじゃありませんか、うっうっ」
「ウソ泣きが下手だな、それで数々のスクープをモノにしてきた報道部か。笑わせるな」
「あやん、冗談も通じないとは見下げ果てた能無しですね貴方はっ☆ 眼球を取り出して洗浄してはいかがですか。あとトイレが長くていらっしゃるんですねぇ長便の男とは私口も利きたくありませぇん☆」
「どこまでプライベート調べ尽くしてんのナタリー?!?!??」
……マジでウザい、こいつ。
「人のトイレを覗いて楽しんでいるとは。普通に犯罪だな」
「あややや? カマかけただけだったんですがマジなんですかぁ? うわぁドン引きです、ありがとうございます。おかげで明日のプレジア報道新聞のネタが増えましたよ」
「公衆トイレの落書き以上に価値のない情報誌だな。そこまでしないとスペースが余るほどネタが拾えていないのか。いっそ風紀委員会の次は報道委員会を潰しても面白いかもしれないな」
「いやぁああぁぁマリスタ、私今この長便マンに脅されてしまいましたぁ」
「み、水で流してあげようか?……便だけに」
『………………………………』
「いやとりあえずでもノツてあげたのに二人してその無言やめてくれる?!?!?!」
…………水属性の所有属性ともかかってるのは無意識なのか、狙ってるのか。狙ってないだろうな。
存外に上手くて止まってしまった。
閑話休題。便の話などしている暇はない。ただでさえ――




