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「復すべき、先は」









「……その程度なんだよ貴様の復讐(・・・・・)は。天瀬圭」









「――――――ざけんな。お前に俺の何が」

「妹を失った」

「は?」

「母を父を家を幸せを失った。それだけなんだろ(・・・・・・・・)?」

「失った数じゃね「俺は失った失った失った失った失った失ったぞサニーをベティーをカルマンをベイキーをサンドラをハマクをイッツをゼン「ッうるせえ」リィをラモノーをコイズをジャンゼイさんをポーニートくんをマイカルをザンナさん「うるせえうるせえうるせえうるせえッッ、」をロッドをミフィーをアイホルンをケノールをエリザをウェイティをジノスをクロドをダンクを(ガシャガシャ)ドーザーをジャックをサミュをエルケイトムシンユージーンカンデルローザジェイキーミセス(ガシャガシャと)カリダルイザ先生メニメトスルーシオダナヤルトルセンリダフォンベルフェルジーリミッド卿スワルコルコナセンディマウロドッジゼスティスコルジヴォードミスリレルリッツィーフィッチ「うるせええええええええええええええええええええええええええええええ(俺の中で泣るな)えええええええええッッっつって――――」なにもかもどれもこれもみんな全部すべて死んだ無くした消えたこぼれたおちた救えなかった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!「だからもう奪わせねえ(だからこそ復讐を肯ず)んだろうがァァァァァァァァァアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!』


   (全部失った)

 衝撃。        (だからもう  俺は)

 合わせた拳を伝う血の温度。      (今度こそきっと)

 腕を覆っていた手甲てっこう代わりの氷が残らず弾け飛び、英雄の鎧(ヘロス・ラスタング)が消えていきバンターの拳の力に耐えられなかった腕が内部から次々破裂。

感覚がしびれて無くなっていく。

 骨が砕けて塵になっていく。



 もはや心臓の止まっているバンター・マッシュハイルも。



「ああ……あぁ゛ァ……!!!」

「――イヤだ――」



 復讐(俺とは関係の無い人生)










 知ったことか、そんなもの。


              (ただ、)









「……ケイ……?」




 あふれる。



ああ、もう、あふれる。



「……イヤだイヤだ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ失いたくない無くしたくないいなくなってほしくない!!!!!!!!今度こそ俺が俺が俺がおれg」

「――アマセ、お前……」

「ケイ、あなたは――」

「リセルもマリスタもシャノリアもナイセストもテインツも篠崎もビージ佐藤ロハザーチェニクココウェル湯川システィーナ西小路二条先生パールゥヴィエルナビークトルト難波江先生パフィラファレンガス施設長ナタリー綾瀬田島「――気色の悪い――」中尾宮崎アドリー浅木アヤメハイナアトロ北条ギリートエリダ波田のおじさん泥川ロイフィス島ケイミー中村先生シータペルド花坂さんリフィリィ島田アイナジェーンペトラ播磨ガイツクリクター佐川弓瀬オーウェン伊藤サイファスディルス丸塚「――破綻者が……!!」イミアエマ剣見川先生愛依愛依愛依愛依愛依愛依もう奪わせない奪わせないおれおれおれおおおおれに触れたすべての生きてる生きてる生き生き生き生き生き生きまだ生きているだいじなもののプレジアのリシディアのこの世界のあの世界の幸せ幸福死死死死死死死死死死なない死なせない殺させない壊させない失わない消させないこぼさない落とさない何も何も誰も何ひとつ――――」

「神にでもなったつもりか天瀬圭ッッ!!」

「そいつは俺の家族(幸せ)さえ守れなかった糞の呼び名だ!!!」



跳ぶ。

跳べない。

      (身体強化はもう切れて)


長く強いバンターの拳。

短く弱い俺の拳。      (次はバラバラにされる)

       (きっと届かない)

     (どうすれば、どうす)       (ればどうすれば――)















 目に、花色が光った。


        (奴の左胸に刺した)

   ()


 片目。

 まだ生きている、俺の右目が光を捉える。


        (でも足りない)


 目にしのく冷たさを見る。

       (魔力はもう)


 花色の光に照らされ光る、無数の雨粒。



      (もう少しだけ)       (なら)



「貴様に復讐者の資格「俺から奪ったお前達(・・・)に―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――








〝あなたはお母さんと同じ……いいえ。お母さんよりも大きい、大きい優しさを持っている〟










   奪う者への(今度こそ奪われないよ)復讐者だ(う、護るんだ)














◆    ◆




 白雨の中、重なる二つの影。



 何も映さぬ復讐者の目は、「復讐者」の攻撃を知覚しない。



 故に、復讐者の攻撃は届かず。



 「復讐者」の血塗ちまみれの指先から、降り注ぐ雨粒を伝い伸び収束した氷の塊は、復讐者の心臓(左胸)に突き刺さった氷剣ひょうけんを更に深々と打ち込み。

        (また互いに、力を、)


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