「理解――――無理解」
「嘘――私の能力に、どうして……!!?」
ひどく狼狽した様子のリリスティア。
再び正気を失い、何かよく解らないことを呟きながら彼女に近付いていくバンター。
バンターがリリスティアの腹部を深々と蹴り付けた。
「がは―あッ!?!」
「リ――」
赤銅の閃電が散り、リリスティアが勢い小さく吹き飛ぶ。
倒れず空中で踏み止まったリリスティアに肉薄するバンター。
両者が空で打撃の応酬を始め――
死ね
「――ぁああッ……!!?」
――少女 の苦悶。 死ね死ね
ほんの数撃も交わすことなく崩れた少 女はただ声をあげながらバンターに嬲られ続け――頭を掴まれ壁へ壊れる程に叩き付けられ、叩きつけられ、叩き叩き叩き叩き叩き
死
「ケ、ケイ――……っ!!?」
死ね死ね
――何が起きたかは定かではない。
否、きっと俺には何も解っていない。
だが、今――目の前で何が起きているかだけは、理解できる。
奴は俺の目の前で、
「う、ごほ……あなた、一体……何なの……!!?」
「あは ずるイわ
そうなN o ね わたし――――――ァあ゛ァ゛ッッ!!!?」
『!!?』
――思った通り、悲鳴が上がる。
まるで雷に打たれたかのように体を、首を痙攣させ、
「ぃキ ピ 邪――――
――――魔なのは、貴様だァァァァァァッッッ!!!!!!!」
死死死 死死死死
バンターが地に――強く強く強く、頭を打ち付ける。
床全体が罅割れ、傾いた。
『…………………………』
「ハァ――――ハァ――――ハァァァ!!!」死
「うぁッ!?」
死
少 女 が足を掴まれて投げられ、俺の前に吹き飛んでくる。
戻ってきたバンターが、決して速くはない速度で――額を割り血塗れの顔に双眼を切り開いて、猛然とリシディアに迫ってくる。
死死死死死死
「滅べ――――滅べホロべ滅べッ」
「――――――」死死死死死死 ね 一度黙れ
――解らないことを、除いて。
解ってしまえば、後は早かった。
呪いが今になって強い理由。
バンターの急激な力の上昇。
この場を生き残るための活路。
そしてその為に払うべき犠牲。
俺が最強となる、方法。
「…………」
「アマ……君、ごめ……こんなはずじゃ」
「……大丈夫だよ。愛依」
「――え」
「滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べ滅べぇええええええええええええッッッッ!!!!!!!!!!!!」
〝けいにーちゃん〟
愛依が目の前にいる。 死死死死死死死死死死死死死
目の前で、血を吐いて――――ボロボロになって、倒れている。死死ね死死死死死死死死死死死死
「……アマセ……君?」死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
「約束したろう、」死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
 




