「ダンス・オブ・パルム」
「『プレジア』? 今、プレジアと言ったか」
「え? ええ。プレジア魔法魔術学校。もしかして、聞き覚えがあるの?」
〝プレジアを探せ!〟
――聞き覚えも、何も。
俺が今、縋ることが出来るのは、プレジアだけなんだ。
「……微かにだが。何か、その言葉に引っ掛かりを感じる。気がする」
「よかったわね! それだけでも一歩前進よ」
「よかったじゃないっ。えっと、アマセくん!」
「どういうところなんだ? その、プレジア……」
「プレジア魔法魔術学校。その名の通り、魔法を学ぶ学校よ。リシディアに三校しかない、魔法学校の一つ」
「アマセ君ってば運がいいわね。なんと私とシャノリア先生は、そのプレジア魔法魔術学校の生徒と、先生なのよ!」
「な――」
――――或いは、これもお前の掌の上なのか? 魔女リセル。
「そうなの。私がマリスタの魔法を見てあげてたのも、私がマリスタの担任だからなのよ」
「担任……が、いるんだな、その学校は」
「あ、どんな学校だったかは覚えてないのね……」
「でも、あなたはプレジアを知っていた。それは確かだもの」
「……ああ、そうだな」
リセルが咄嗟に言い放った「プレジアを探せ」という言葉。
俺達があの「越界魔導」とやらで離れてしまったのは、リセルにとっても予想外の出来事だったはずだ。
であれば――きっとあいつは、俺と落ち合う場所として、そのプレジア魔法魔術学校を選んだのに違いない。
あいつはきっと、プレジアにいる。居なかったとしても、いずれやってくる。――あの赤髪の男に、殺されでもしていない限りは。
たとえあの魔女が殺されていたとしても、今の俺にこれ以上の選択肢はないだろう。
俺はシャノリアに向き直った。
「シャノリア。何とかしてその学校を、」
「うーん……アマセ君あなた、プレジアに入学しちゃったらどう?」
「見学することは――――何だと?」
「あれ。適当に言ってみたけど……いいわねそれ。うん、それがいいわ! そうしましょうっ」
シャノリアは一人合点して、部屋の奥にある木製のしっかりとしたデスクに近寄ると、何やらいそいそと書類を用意し始めた。
「えええ!?! そ、そんなこと出来るんですか!? だってアマセ君、自分の名前以外何も分からないんですよ!?」
「そ、それにだ。俺には、学校に入学するような金は――」




