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「ド根性大戦――④――しかして少女は『国を守る』」



「ちょっと――何よそんなことしたらっっ、」

詠唱えいしょうを止めないでください魔術師長ッ!! 俺が止めますッ!!」

「!」

「ぅアアアァァァッッッ!!!!!!」




 ガイツが裂帛れっぱくと共に魔弾の砲手(バレット)を大量展開させ――――アティラスが外套マントを翻し、その内側に大量にしまい込んでいた鋼のナイフをくうで回転させ。



 石と鋼と弾丸の花火が、空を埋め尽くした。



「うわっ――――ッ兵士長ッ!!」

「ずわはははっ! まだこれだけの魔力がしぼり出せるかァ!!」

「――――」



石の散弾は魔弾の砲手(バレット)とナイフの弾幕によって消滅、商業区全域に石の雨となって降り注ぐ。

しかし「ディオデラ」は――既に第二砲(・・・)をその手に握り込もうとしていた。



「踊れおどれ愚か者共――――そうしてか弱き国民を守って死ねえええ!!!」



 振りかぶられた第二砲。

 それを、



海神の(ヴァダレイ・)

「!?」

三叉槍(リュアクス)ッッ!!!」



 マリスタの水槍すいそうが「ディオデラ」の手を打ち抜き、未然に防いだ。



「っぬァ――――小娘ェェェっっ」

「ッざけんなよマジでクソジジイッッ!! あんたこの国の王になるんじゃなかったのかよッ!!!」

「黙れ黙れェい!! 貴様等が俺ッ様を刺激しなければこんなことにはなっておらぬのよッ!!」

「黙れはこっちの台詞だッッ!!あんたは――あんたはこの国を作り直したかったんじゃないのっ!!?」

『!』

「この国がどんなにひどいかって、だから自分たちが建て直すんだって、だからみんなについてこいって!!! あんたそんな風に言ってたじゃないのよッッ!! それがっ、それが――――――――正体見たりじゃないのよ。あんたなんかやっぱただのクソテロリストよッッ!!」

「貴様等キサマラ貴様等キサマラキサマラァァァァッッ!!!先に俺ッ様を追い込んだのは貴様等ァァッッ!!!!」

「関係あるかッッ!!! あんたは――あんたには王になる資格なんてこれっぽっちだってありやしないッ!! この私が(・・・・)認めないッッ!!!」

「のぼせあがるなァァ小娘風情がァァァッッ!!!!」



 「ディオデラ」が迫る。

 マリスタが目をカッと目を見開き――彼女の眼前に十数を数える流弾の砲手(アクアバレット)が展開され、直後爆発した。



「ずわはははッッ!! 無理に無詠唱むえいしょうなど使うから――」



 爆発により――――水の霧がノジオスの視界を覆い尽くす。



「チョコザイな――こんなものでッ、」



 魔波まは感知かんち

 即座に背後に迫るマリスタの居場所を割り出したノジオスが、



「この俺ッ様と勝負できると思うたか、アルテアスの出来損ないがァァッッ!!!」



 ――見事ロハザーと同じ手(・・・・・・・・)に引っかかり、霧の向こうの水泡すいほうをその巨大な拳で押し潰した。



「!?」

水祭の乱波(ヒュロエリア)ッ!!!」



 霧を突き破り、魔波を絶って近付いたマリスタが中級魔法ちゅうきゅうまほうを放つ。



「うおおおおあッッ、」



 ガラ空きの駆動魔石くどうませきをさらしたノジオスが慌てふためきながら身を乗り出して障壁しょうへきを展開。

 水の波動は防御され噴水ふんすいのように散り、



 勢い余った小娘とテロリストは、障壁越しに額と額を衝突させた。



「こ……むすめェッッ!!」

「小娘じゃ――ないッ!!!!」



 離れる。



 マリスタが目を閉じ――涙を断ち切る。



「私はリシディア(・・・・・)四大貴族(・・・・)――――マリスタ・アルテアスだッッッ!!!」


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