表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/1260

「もっと歩きたい。」



 テインツの時のように、回避のつもりで明後日あさっての方向に身を投げる。

 飛び込んだ床面に激突した衝撃にこそ襲われたものの、英雄の鎧(ヘロス・ラスタング)では微塵みじんも痛みを感じない。



 床をこするような音。



 振り返ると、そこにはやはり「音速」で移動してきたヴィエルナの姿があった。

 足で床をこすったあとが、タイヤのスリップこんのように薄黒うすぐろく残っている。

 ……やっぱりだ。



「……猪突猛進ちょとつもうしん



 再度飛び迫ろうとするヴィエルナを弾丸(バレット)牽制けんせいし、腕の力で体を持ち上げ、起き上がる。爆風を突き破りなお肉薄にくはくしてきたヴィエルナと止む無く接近戦を繰り広げる――

 ――が、やはりいかに身体能力が同じだろうと素人と武道家では勝負にならない。防御ぼうぎょ隙間すきまって降り注ぐ無手むての弾丸に、たまらず奴との間に弾丸(バレット)を発生、爆風によって無理矢理距離をとる。ヴィエルナは――正面で、また「音速」の体勢を見せていた。



「どうなる――!」



 ヴィエルナがブレる。

 と同時に、奴の直線上の軌道きどうから体を移動させ――片足だけを残した(・・・・・・・・)



「!!! ッ――」



 足を引っかけられ(・・・・・・・・)て体勢を崩し(・・・・・・)たヴィエルナが、空中に身を投げ出す。

 残していた足にも相当の衝撃が走ったが、それよりも――やっぱりそうだ。

 あの技、「音速」は――――一度跳ぶと方向(・・・・・・・)転換が利かない(・・・・・・・)んだ。

 とすれば、ああして直線上に障害物を置いてやれば容易に超速での奇襲きしゅうを防ぐことも――



 ――体勢を崩したはずのヴィエルナが体をひねり、演習スペースをおおう障壁に着地するのが見えた。



 そんなものに気付いた時には、もう遅い。



「ガ――――!!!」



 頬骨ほおぼねくだかんばかりの衝撃。



 くうを飛ぶ感覚。

 俺は「音速」のヴィエルナの拳をもろに左頬ひだりほおに受け、派手に吹き飛んだ。



「ぐっ――!」



 きっと追撃が来る。手で床を叩くようにして体をね上がらせ、



凍の舞踏(ペクエシス)!」



あんじょう接近していたヴィエルナへ氷の波動を見舞ったが――彼女はあっさり跳躍ちょうやく凍の舞踏(ペクエシス)の真上を(かす)めて俺へと――――?!?待てなんだそれh

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ