表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1131/1260

「異常事態」

 半径五十メートル四方の森が陥没かんぼつし、瓦礫がれきとなり果てる。



 砂埃すなぼこりのように木々が舞い、かんの鋭い生物の類は最早その周囲に一匹たりとも存在しない。



「ハァッ、ハァッ、はぁッ……!!!」



 王都おうとヘヴンゼル外縁がいえんの森、トルト・ザードチップと褐色かっしょくの男の戦い。



 押されている(・・・・・・)トルト・ザードチップは、荒い息を吐きながら砂塵さじんの中に敵を探背後への、一撃。



 トルトの鋼のような筋肉さえあっさりと打ち砕く巨大で鋭い拳が、彼の背骨にひびを入れながら彼方かなたへ吹き飛ばす。



「ぐゥア――――ッッッ!!!!?」



 大木の群落ぐんらくが根を張った強固な地盤じばんを根こそぎえぐり飛ばしながら吹き飛んでいくトルト。

 破壊の神の御業みわざのような一撃を繰り出したのは――



はァ゛――――ハァ゛(繧「繝ェ繧キ繝??シ)――――は ゛―――(縺?°鬆シ繧?繧?a)(縺励※)



 ――――尋常でない疲労を隠しもしない、片目が(・・・・)ガラスのようにひび割(・・・・・・・・・・)れた(・・)大男――バンター・マッシュハイル。



 その異常に、トルトはとっくに気付いていた。



(間違いねぇ……あの野郎、急にパワーもスピードも段違いに上がりやがった……今の俺と互角、いやもしかすると――――)



 音も無く背後。



!!!「!!?ッッくそがッッ」

アアァァァァアアアッ(薙?蟄宣#)ッッ!!!!」



 獣のような叫び声をあげながら両手で首をねじり切ろうとしてきた褐色の手をトルトが辛うじて手で制し、二人が手四てよっつの姿勢で拮抗きっこう



 したのは一瞬。



「ッッッッ――――がァぁぁァッッッ!!?」

アアアアアアアアアア(豁サ繧薙〒蜆溘∴雍悶)アアアア(險ア縺励r荵槭∴)!!!!」



 つかんだトルトの手を褐色がその握力で片端かたはしから握り砕く。

 更に頭突きで肩へ頭部を埋没させ(・・・・)、トルトは自身の体に何が起きているか分からず数歩背後によろける。



 トルトの眼前で、褐色が両手を合わせ――――それらをトルトの中心に、置いた。



双蓮(そう呎ョコれん)



 ――――トルト・ザードチップの体が外から、内から弾け飛び。



 臓物ぞうもつのはみ出した、辛うじて人の形を保った死体は、バンターの目の前でゆっくりと地に倒れた。



………………(ゅ>牙嵜邇九?霆阪°)ハァ――――ハァ――――ハ――――――ァあッッ!!」



 うめきと共に、バンターが地にひざを屈する。



 狂気に身をゆだねた代償だいしょうが、確実に彼の体をむしばんでいく。



「…………報いを(鬲泌・ウ)…………俺は倒れない俺は消えない貴様等…貴様等の息の根ェェェ!!!! 貴様等ヲォォォッッ!!!」



 文字通り、怒りを命に代え――バンターは己を奮い立たせる。



 静かに立った、男の背後で。



「ッッッッ!!!!????」

「壊れねぇんだよなあ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ