表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1120/1260

「マリスタVSマトヴェイ――②」



 大勢の泥人形どろにんぎょう跳躍ちょうやくし、サイファスへ飛来する。

 マリスタが急ぎ彼の下へ向かおうと地に足を踏み込んだとき、



 二頭の白虎びゃっこが空で交差し、飛び上がった泥人形をすべて真っ二つにした。



『!!』



 ぼとぼとと地面に落ちる泥。

 サイファスを守る様に地へと降り立ったのは、銀に光ってさえ見える白毛はくもうをたたえた二頭の召喚獣しょうかんじゅうだった。



 しかしマトヴェイは笑う。



「やるな、だが――さっきと比べて数が減ってる(・・・・・・)よな? やっぱりそこの凡俗ぼんぞくはそれだけ負担のある術を準備してるってことだ。今は上手くいったろうが――野良猫のらねこ二匹とメス一匹でこの数を相手にどこまでやれんのかな?」



 泥人形が再生し。



 せり上がった大理石が、マトヴェイの背後から迫っていたマリスタの所有属性武器(エトス・ディミ)を防いだ。



「くっ、そ……!」

「さあ。たった三匹で――せいぜい無様におどってみせろよ」



 泥と大理石が。



 赤銅しゃくどう髑髏どくろが、動き出す。



(アレに貫かれたら――――一発でも貫かれたら終わり!!!)



「ッ――海神の(ヴァダレイ・)、」



 跳躍ちょうやく、長距離を移動して赤銅へ足をつかまれる。



「ッ!?」

「ちなみに俺も少しは動けるけど。w」



 足を引っ張るマトヴェイによって体が落ち――マトヴェイの魔術によって凹凸おうとつだらけになった大理石へ叩き付けられる。



 しかし虹色にじいろに発光。



「お?」

「ッ――三叉槍(リュアクス)ッッ!!」



 水の激流が発射。

 先程よりも荒く、およそ上級魔法としてまともに機能していない体たらくの、しかし大規模な魔法が赤銅を撃ち抜き、再び機能を停止する。

 今度は大鎌がすべてチリと消えた。



「はは、ほんとお前――うおっ」

「ッッ――――っづあァだッ!」



 足をつかまれたまま瞬転(ラピド)

 床に倒れたまま足をふんばって爆発させた魔力はマリスタに瓦礫がれきの山を突っ切らせ――――地面に顔をけずられながら、彼女はマトヴェイの手を脱し距離きょりを取る。

 切れた口元の血をぬぐい、体勢を立て直した。



 はしから迫る泥人形と床。



(前の障壁しょうへき展開から――十五秒は経ったッ!)



 精霊の壁(フェクテス・クード)を展開し、地を蹴るマリスタ。



 大理石と泥人形が眼前に迫ったタイミングで瞬転(ラピド)、突撃の勢いで二つの土属性を突破し、



「馬鹿の一つ覚え。そうそう何度も同じ手通用するワケないだろうがッ!」

「ぐっ!?」



 マトヴェイまであと数歩のところで、前方足元から大理石の柱がななめに障壁へ激突、マリスタを吹き飛ばす。



「ちっ、この――」

「でノータリンのお前に解ってたか知らないがな。石は何も床だけじゃね(・・・・・・・・・・)()

「え       、っわ!?」



 真右まみぎから衝撃。



 見れば壁から突きでたもう一本の柱。

 体勢を立て直そうと視界を広げたとき、



 真左まひだりから伸びていた大理石の柱とに挟まれ、魔法障壁は粉々に砕け散った。



「ぎゃ、ぁ――――ッッ!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ