表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/1260

「Interlude―19」

 マリスタの抗議こうぎの視線。

 不安げな顔をしたパールゥがシスティーナを手伝い、マリスタに向けて首を横に振った。――やがてゆっくりと、食堂がさわがしさを取り戻していく。

 風紀委員の姿が消えたころには、マリスタの体からも力は抜けていた。

 システィーナとパールゥが、ゆっくりと手を放す。



「あんな光景、最近になって何度も見たことがあるでしょう、マリスタ。貴族と『平民』の対立、そして『平民』への風紀委員会の弾圧。それが、これだけ堂々と行えるような場所に、プレジアはなってきてるってことです」

「……私の違うクラスの友達も、先週から学校に出てこなくなっちゃって。きっとあれも、風紀委員の人たちのせいなんじゃないかって、友達のクラスの人から聞いてる」

「ど、どうして学校に来なくなっちゃうのよ。いじめのせいで?」

「違いますよ、マリスタ。決まってるでしょう? 貴族――特にティアルバー家の力をかさに着た、風紀委員会の圧力で、ですよ」

「あ、あつりょ……!?」

「ティアルバー君の家――大貴族の影響力を使った圧力で、一族や、家族の社会的立場なんかを人質に取られた『平民』達が、学校に来られなくさせられてる。ってことね」

「な……なによそれっ!? そんなことがあって言いワケ、」

「それがあるのが、今のプレジアなんですよ。マリスタ」

「せ――先生たち!! 先生たちは何やってんのさ! 私今からシャノリア先生に――」

「そうですね。シャノリア・ディノバーツ(・・・・・・)先生は、きっと中立な――いえ、不当な迫害を受けている人には、分けへだてなく接していることだと思いますよ」

「だったら――」

「でも、ディノバーツ先生一人ではどうしようもないのです。ディノバーツ家と同じく、ティアルバー家も、このプレジア魔法魔術学校の、出資者しゅっししゃの一人ですから」

「出資者――――あ」

「確か、マリスタの家も出してたわよね?」

「た、確かに父さんは副理事長をしてるけど……え。ティアルバー君と、シャノリア先生のとこも?」

「ええ。アルテアス、ティアルバー、ディノバーツ、そしてイグニトリオ……プレジア創立の際、四大貴族はどの家も競い合うように学校に資金を提供しています。ですから現在も、学校の運営方針に口を出せるほどの影響力を持っているのですよ」

「……ティアルバー君のお父さんが、今のプレジアを認めてるの?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ