表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1003/1260

「軍備再編」




◆    ◆




「連絡があったわ。共闘の手はずが整ったって」

『!』

「やったんだなガイツ、ペトラ……!」

「王女殿下(でんか)もね」

魔術師長殿まじゅつしちょうどのも、だよ。皆が私情をおさえた賜物たまものさ」



 パーチェからもたらされた朗報ろうほう安堵あんどするアルクスの面々。

 アティラスも何かに感じ入るかのように目を閉じている。

 教師連中が呼ばれていた理由はこれか。



「ってことは、また戦場に行くんですか? すぐ??」

「なァにビビってんだよマリスタおめーは。見てやがれテロリスト共、今度は俺も大活躍してやんぜ」

「ロハザー。油断」

「落ち着きなさいな二人とも。そう今すぐ出られるワケないでしょ? 具体的な作戦立案はこれからなんだから」

「あ……な、なるほどそっかっ」

『フェイリー。応答を』

「お。噂をすれば連絡だ――」



 フェイリーの藍色のローブにちりばめられた金砂きんさが光り、ペトラの声が聞こえる。

 かなめの御声(ネベンス・ポート)の織り込まれた、敵の攻撃に耐えられるローブ……つくづく面白い作りだ。



「こちらフェイリー、話は聞いた。イフィとゼインもそばにいる、指示をくれ」

『フェイリーはプレジア軍の被害状況の確認を。ゼイン、あなたはパーチェ・リコリスとも連携して負傷者の治療を急いで』

「了解」

「了解だよ。ではリコリス先生」

「ええ。行きましょう」

『イフィ、あなたは偵察部隊を招集して学園周辺のさい警邏けいらをお願い』

「了解! じゃあね、学生さんたち。ゆっくり休んでおくのよ」

『義勇兵コースの学生達がそこにいるのね? フェイリー』

「ん? ああ、いるぞ。何か指示があるか?」

『いくつか。まず一つに――今から言う教師を軍議室ぐんぎしつに招集してほしい』

「誰だ?」

『三人よ。アドリー・マーズホーン、サイファス・エルジオ。そしてシャノリア・ディノバーツ』

わかった。――学生達、聞いての通りだ。彼らに今すぐかなめの御声(ネベンス・ポート)を」

『了解』

「え、えっとどうやって使……」

「うん、何もしなくていいと思うよ。役立たず(アルテアスさん)は」

「なんかその笑顔ムカつくんですけど???」

『他に手の空いてる学生はいる?』

「ああ、いるぞ」

『では、他の学生に――』



 ――ここで出てきた名前だけは、俺の予想外の人物だった。



『――ビージ・バディルオンを軍議室に招集してほしい』

「ビージ……何だって?」



 フェイリーが聞き返す。

 つい先日、あんたの前で両膝りょうひざを着いて俺の拘束こうそくに異を唱えた人物なんだが……記憶に残っていないか。



 しかし何故だ?

 ビージの奴、何かヘヴンゼル学園と関係が――



『ビージ・バディルオン。ガイツ・バルトビア兵士長直々(じきじき)の招集だと伝えてくれ』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ