表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の最高の理解者  作者: 弓削サラ
僕の復讐劇
5/10

はったり

チーンと到着の音がして間もなく扉が開かれた。2人で薄暗い廊下を歩く。廊下には赤いカーペットがひいてあり歩き心地も悪くは無い。歩いていくと突き当りに大きな扉があった。どうやらここのようだ。僕はノックし

 「どうぞ」

 この声を合図に僕は扉を開けた。

 中には僕よりやや背の高い中年男性が立っていた。石田だ。

 「こんちは美馬斗真くん」

 石田と目が合った瞬間突然目眩のようなものがした。すぐに直ったが何故か心がざわめく。それもそうだ、だってこいつは僕の両親を殺した張本人、それを理解したとたん今まで抑えてきた怒りが一気にこみ上がってきた。ダメだとわかっていても身体は石田を殴りかかろうとした。それと同時にロディスが僕の二の腕をもち動きを制した。

 「斗真、感情的になってはダメです。無鉄砲に襲いかかっても向こうは社長、何かしらの手立てはたててあるはずです。」

 僕が落ち着いたのを確認すると彼女は手を離し、僕は服のシワをパタパタとのばしながら石田に問う。

 「何故、何故僕の両親を殺した…」

もっとほかに言いたいことがあった。でも今の僕には悔し紛れにそうやって聞くことしか出来なかった。

 「何故?君は面白いことを聞くね?もう既に亡くなっている御両親から聞いていないのかい?」

 わざわざ煽ってくるような言い方をする。睨みながら黙って聞いていてもペラペラと喋りつづける。

 「君達の御両親は本当に素晴らしい人達だった。失くすには惜しい人材だったのも確かだ。何だって感情プログラムを完成させたんだからね。私の会社と君たちの所属する会社はたしかにライバル同士だ、かといってずっと睨みあってるだけでなくお互い情報交換をしていたのだよ。我々はとても期待していたよ。でも現実で裏切られた。君の御両親がこの情報だけは絶対に公表しないと、それでは話が違う。無理矢理教えさせようとあらゆる手を使っても決して口に出すことはなかった。ここまで来るとめんどくさい、私達も暇ではないんでね。だから殺して手に入れようとした。ただそれだけの事さ。分かるかい?元天才科学者美馬斗真君?あぁ、でも」

 歯をギリギリと鳴らしできる限り彼を睨み身に覚えの何事を言われ僕は石田へ質問する。

 「何のことだ?」

 そういうと心外そうに

 「おや?身に覚えがないのかい?実は」

 キラッとなにかが光るのが見えた。その光ったものはロディスが持っている。

 (…ッ!)

 刀だ小刀を彼の首元へ指している。

 彼が話始めようとしたところをロディスが刀で遮った。

 「お黙りなさい、これ以上余計なことを吹き込まないで」

 ロディス…やめろ…そう言おうとする前にまた激しい目眩と頭痛が起きた。どこがでこのような光景を見たことがある…何故か必死に思い出そうとしあの時の僕の年齢は?とまこで?何故そうなったのかひたすらに頭を動かす。でも考えれば考えるほど頭の痛みが増していく。それを止めたのは石田の声だ。

 「お嬢さん、お嬢さん落ち着いて。そんな生身の女の子が機械と人間で組み合っている生物と勝てるとでも?」

 その瞬間空気が冷たく…凍った。あのロディスが戸惑っている。僕も同じく焦っている。そんなこと聞いたことない…研究所からもそんな情報伝わっていない。また一人で悶々と考え込む。その様子を見て石田は馬鹿にしたように

 「お互い様だろう。君たちだって情報を渡さなかった。だからこちらも同じことをしたのだよ。」

 ロディスは石田から離れ僕に耳打ちをする。

 「斗真、計画は失敗です。諦めて退散しましょう。」

 「なっ!ふざけるなっ!」

 「失敗は失敗、早く行きますよ」

 今までにないロディスの焦った表情それに僕は圧倒され悔し紛れにドアを勢いよく開きロディスと共に駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 静まり返った社長室。そこに一人の少女が現れる。

 「あれ?逃げたの?」

 その言葉に石田は

 「ははっ、むしろ居なくなってくれて良かったよ。まだこれは完成してない、ただのはったりに臆してくれて助かったよ。」

 そういうと少女はつまらなさそうに

 「ふーん、ほんとにそうだといいわね、うちには関係なけど」

「そんなことないだろ君はこちら側にいるようなものだろう?」

「は?何言ってんの?うちはどちら側でもないし敵にも味方にもなるつもりは今のところないわ」

「ははっ、そうか、でも今はということは敵にもなり得るし味方にもなることもあるかもしれないということか。」

そう言われると少女は不機嫌そうにチッと舌打ちをし瞬く間に姿を消した。

どうも、弓削です。このような小説を読んでいただき感謝あるのみです。誤字脱字、気をつけていますがもしあったら教えていただけると有難いです。それではまた次話お会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ