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悲しい現実は存在している

作者: 龍巳

「僕の好きなものには、僕より好きなものがあります。」


「えぇ、はい。友達もそうです。」


「だから僕には、友達がいません。」



悲しい!それはあまりにも悲しすぎる現実だ、と彼は言った。

…悲しい?

僕は悲しくない、寧ろそれが世界の真理だ。

絶対的に支配する事と、愛を嘆き、他人を貶め、自分が得する事しか考えていない。

人間は誰しも、自分が大好きなのだから。

僕だってそうだ。

いくら自分を嫌っていたって誰かを守って身代わりに死ぬなんてことは出来ない。

誰だってそうだ。

僕だって皆だって死にたくないのはお互い様だ、誰も死にたくなんかない。

でも明日が来ることは無い、可能性が無い訳では無い。


安全すぎる、平和すぎる、


そんな馬鹿馬鹿しい国で僕らは死んでいくのだ。

ミサイルが飛んできても笑って過ごし、朝起こされただとか仕事に行かねばなどと頭のおかしい世の中で満足しきれるはずもない。

満足感など得られるわけがない。

人生を全うするなんて無理だ、何かしらトラブルがあり、何かしら壁にぶつかって、何かしら悲しみに暮れるのだ。

無難ならば僥倖?ふざけた世の中だ。


悲しすぎる現実などとうの昔に知った、そして僕はそう思った。

だから彼の言葉は空気に溶けた、何も分からない。

僕は言った、君を貶めたく、そして僕のために、明日のために。



「とても悲しいね。」

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