ERROR
お初書きです。
おおめに見てやってくださいm(_ _)m
「ああ、もう!!早く帰りたいのに!!!」
彼女の前にあるパソコンの画面には黒い背景に真っ赤な文字で『ERROR』と映し出されている。
彼女はそう大きく叫んでからハッと肩をすくめた。
彼女は静かに事を進めなくてはならない。
何故なら、彼女はスパイなのだから。
黒いピタッとした衣服に身を包み、そっとこの建物に忍びこんだのだ。
この建物というのは彼女の属するA国と対峙するB国の国家機密機関の建物なのだ。
最近そのB国が強力なミサイルを開発したらしいという情報が入った。
A国は黙っていられない。直ちにそのことが調べられた所、強力ミサイルは本当に開発されていることがわかった。
なんとかその強力ミサイルの設計図の入ったデータは彼女の同僚の手柄により手に入ったのだが、肝心の設計図にはロックがかかっていた。
そこで、このロックの解除ナンバーを調べるべく、彼女はこの建物に入ったのだ。
彼女はもう一度ゆっくり、ココに来る前に教えられた幾つかのアルファベット、そう解除ナンバーを知るための暗号を間違えないよう丁寧に打って言った。
この幾つかのアルファベットが合っていれば、彼女の向き合っているパソコンの大きな画面に解除ナンバーが出てくるはずだった。
彼女はしっかりとENTERを押した。
だがそこに映るのはさっきと同じ『ERROR』の文字…。
彼女は思った。きっと暗号が調べ間違いなのだと。
もうこれ以上ここにいるのも危険だった。
カメラはもう壊して、モニタールームの奴らもクロロホルムで眠らせておいた。
勿論、この部屋の管理者は先ほどの殴られた衝撃で、未だ彼女の後ろで伸びている。
だがそろそろ誰か気が付くだろう。
彼女はひとまずの身の安全の確保を優先し、その建物から抜け出した。
『ERROR』の画面そのままで。
「ううっ」っと、そんな低い呻き声を出し、男は立ち上がった。
先ほど何者かに後ろから突如殴られたのだ。
男はハッとしてパソコンの画面を見た。
すると、彼の顔はどんどん青くなっていった。
何故なら、大事な強力ミサイルの設計図の入ったデータのロック解除ナンバーが画面に映し出されていたのだから。
その解除ナンバーは『ERROR』
是非とも感想ください。