表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

被害者面だけはお上手ですこと。では、わたくしも同じ手を使わせていただきますわ

作者:月雅
最終エピソード掲載日:2026/03/25
この宮廷では、涙を流した者の言葉が信じられる。

公爵令嬢エステラには前世の記憶がある。 百貨店の窓口で十年間、理不尽なクレームに頭を下げ続けた日々。 泣く客の言い分だけが通り、事実確認は後回しにされる光景を何度も見てきた。

転生した先で待っていたのは、同じ構造だった。

王太子の傍にいる少女ミルフィは、涙一つで誰でも味方につける。 怯えた目で庇護を引き出し、泣かせた側を悪者に仕立てる。 その涙がエステラに向けられたとき、突きつけられるのは身に覚えのない罪。

反論すれば冷酷だと囁かれる。 黙っていれば認めたことにされる。 どう振る舞っても追い詰められる状況で、エステラが選んだのは第三の手段だった。

泣く。 相手より先に、相手より巧く。

前世で学んだことがある。 クレーム対応の極意は、先に泣いた方が勝ちだということ。

けれど嘘の涙には限界がある。 見抜く者は必ず現れる。 王太子の異母弟である第二王子は、エステラの演技を一目で看破した唯一の人間だった。

嘘と知った上で差し出された手を、取るべきか。 演技で始まった関係の先に、本物の感情は生まれるのか。

同じ土俵に立つだけで、人はどこまで変われるのだろう。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ